一酸化炭素中毒はインフルエンザにそっくり。違いは「熱が出ない」こと【CO警報器の正しい付け方】
シリーズ:住まいの危険と室内環境
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この記事のポイント ・約7分で読めます
- 米国では、火災とは関係のない一酸化炭素中毒で毎年400人以上が亡くなり、救急受診は10万件を超えます。
- 症状はインフルエンザにそっくりです。ただしCOでは熱が出ません。また、ペットも含めて家の全員が同時に具合が悪くなります。
- 家を出ると良くなり、帰宅するとまた悪くなるなら、それがCO中毒の典型的なパターンです。
- 寝ている人や酔っている人は、症状が出る前に亡くなることがあります。だからこそ、気づく役目は警報器に任せる必要があります。
毎年冬になると、家族そろって「風邪かな?」という状態になる家庭があります。頭痛、だるさ、吐き気、なんとなく頭がぼんやりする。外出すると治まり、夜に家でくつろいでいるとまたぶり返す。とはいえ、ウイルス性の風邪でも休んでいるときはそんな感じなので、誰も気に留めません。
一酸化炭素(CO)には、においも色も味もありません。あるのは「その季節にいちばんよくある病気」になりすます症状だけです。そして、それを見抜く警報器は20ドル(数千円)程度で手に入ります。
被害の規模:原因は火災ではない
米国における事故による一酸化炭素中毒(年間)
CDC(米国疾病予防管理センター)の数値。火災に伴う中毒は含みません。
出典:U.S. Centers for Disease Control and Prevention, Carbon Monoxide Poisoning Basics
一酸化炭素は、酸素よりもはるかに強くヘモグロビンと結びつきます。血液は流れ続けているのに、本来の役目である酸素の運搬ができなくなるわけです。初期症状があいまいなのはこのためです。全身の組織が少しずつ同時に酸欠になり、最初に悲鳴を上げるのが脳なのです。
インフルエンザか、一酸化炭素か
症状はほぼ重なります。違いが出るのは「パターン」です。
| インフルエンザの可能性 | 一酸化炭素の可能性 | |
|---|---|---|
| 発熱 | たいていある | ない(COでは熱は出ない) |
| 誰が具合が悪いか | 1人から始まり、数日かけて家族に広がる | 複数人が同時に(ペットも含む) |
| 場所 | どこにいても症状は続く | 建物の外に出ると良くなり、帰宅すると再発する |
| 時期 | 季節を問わず、一定期間で治る | 暖房シーズンの開始時、新しい機器や発電機を使い始めた後 |
| その他のサイン | のどの痛み、せき、筋肉痛 | 意識の混乱、ふらつき、異常な眠気 |
出典:CDCの一酸化炭素中毒に関するガイダンス、臨床中毒学の参考文献に記載された症状像
CDCの説明の中に、2回読んでほしい一文があります。「眠っている人、酔っている人、薬物などの影響下にある人は、症状が出る前にCO中毒で死亡することがある」。警告サインは、それに気づけるだけ意識がはっきりしている人にしか役に立ちません。だからこそ、気づく役目は警報器に任せる必要があるのです。
COはどこから発生するのか
燃料を燃やすものは、すべて多少の一酸化炭素を出します。正常に動いている機器なら、COは排気筒から外に出ていきます。危険が生じるのは、不完全燃焼が起きたとき、排気筒が詰まったとき、あるいは本来燃やすべきでない場所で燃焼させたときです。
死亡につながりやすい発生源ランキング
上位2つは、家の設備ではありません。
出典:CDCの一酸化炭素ガイダンス、米国消費者製品安全委員会(CPSC)のポータブル発電機の危険性に関する報告
日本で読む方へ(編集部注)
本記事のデータは米国のものです。日本の住まいでも、七輪や練炭を室内やテント内で使うこと、換気をせずに石油ストーブやガス機器を使い続けること、そして雪でマフラーがふさがった車の中でエンジンをかけ続けることは、一酸化炭素中毒の典型的な原因として注意喚起されています。症状が疑われるときは、屋外に出てから119番に通報してください。
警報器の正しい選び方・付け方
このサイトで扱うリスクの中でも、安い道具ひとつで問題の大部分を本当に解決できる数少ないケースです。ただし、それは「設置されていて」「電源が入っていて」「期限が切れていない」場合に限ります。
よくある4つの間違い
CDCおよびメーカーのガイダンスより。
出典:U.S. Centers for Disease Control and Prevention, CO detector placement and maintenance guidance
警報が鳴ったら
「まず原因を調べる」という選択肢はありません。
出典:一酸化炭素警報器が鳴った際のCDC緊急対応ガイダンス
用意しておきたいもの (広告リンク)
リストは短めです。答えは本当に「各階に1台」だからです。
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安価な代替品として売られている「CO検知カード」(色が変わる小さなシール)は紹介しません。誰かが見ていないと役に立たず、眠っている人には意味がないからです。そして、この危険で命を落とすのはまさに眠っている人たちです。音で知らせる警報器こそが本体であり、「格安版」は存在しないカテゴリーです。
よくある質問
Q. 壁の高い位置と低い位置、どちらに付けるべき?
一酸化炭素の密度は空気とほぼ同じなので、沈んだり上昇したりせず、空気と混ざり合います。取り付ける高さは、多くの人が思っているほど重要ではありません。その機種の取扱説明書に従ってください。それよりはるかに大事なのは、人が寝る場所の近くにあること、家具の陰に隠れていないこと、そして燃焼機器のすぐ横(正常な一時的上昇で誤報が出やすい場所)を避けることです。
Q. オール電化の家でも必要?
リスクは低くなりますが、ゼロではありません。家に隣接するガレージ、暖炉、集合住宅の共有壁、停電時の隣家の発電機などは、いずれもCOが届く範囲にあります。隣接ガレージがなく、建物のどこにも燃焼機器がない集合住宅なら、必要性は正直なところ弱いでしょう。ただ、数千円で済むことを考えれば、多くの人にとって判断は難しくないはずです。
Q. 病院では何をするの?
血液検査でカルボキシヘモグロビン(ヘモグロビンのうち、酸素の代わりにCOと結びついている割合)を測ります。治療は高流量の酸素投与で、新鮮な空気を吸うだけよりもはるかに速くCOを追い出します。重症の場合は高気圧酸素療法が行われることもあります。受診時には必ず「COを疑っている」と伝えてください。指に付ける一般的なパルスオキシメーターは、CO中毒では誤って正常値を示すため、安心してはいけない場面で安心材料になってしまうからです。
Q. 一度だけ鳴って止まった。無視していい?
いいえ。短時間でも鳴ったということは、COが警報レベルに達し、何かがそれを発生させたということです。必ず点検を受けてください。暖房設備の業者なら機器を検査できますし、最高値を表示できる警報器なら、記録された数値をそのまま伝えられます。断続的な警報は、熱交換器のひび割れの最初のサインであることがよくあります。
まとめ
- 米国では、火災と関係のない一酸化炭素中毒で毎年400人以上が亡くなり、救急受診は10万件を超えます。
- 症状はインフルエンザに似ていますが、COでは熱が出ません。またペットを含む家の全員が同時に体調を崩します。
- 家を出ると良くなり、帰ると悪くなるなら、それがCO中毒のパターンです。
- 寝ている人や酔っている人は症状が出る前に亡くなることがあります。気づく役目は警報器に任せましょう。
- 最大の原因はポータブル発電機とガレージ内の自動車。故障したボイラーではありません。
- 警報器は各階・すべての寝室の近くに設置し、寿命は約5〜7年です。
- 火災警報器はCO警報器ではありません。表示を確認しましょう。
- 鳴ったら:全員で屋外へ出て、外から通報し、中には戻らない。
一酸化炭素中毒が疑われる場合は、医療上の緊急事態です。全員で屋外の新鮮な空気の中に出て、建物の外から119番に通報してください。医療スタッフには「COを疑っている」と伝えましょう。検査の内容も治療の内容も変わります。
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参考文献
- U.S. Centers for Disease Control and Prevention. “Carbon Monoxide Poisoning Basics” and CO detector guidance.
- U.S. Consumer Product Safety Commission. Portable generator carbon monoxide hazard reporting and winter safety guidance.
- National Safety Council. Carbon monoxide safety topic.
