オーストラリアの森林火災:大規模化し、シーズンは長期化

南オーストラリア州ロンズデールの森林火災から立ちのぼる煙
資料写真:南オーストラリア州ロンズデールの森林火災、2020年12月。写真:Luke Anderson(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)
リスクは上昇2026年10月4日更新

トレンドの要約

  • オーストラリアでは昔から森林火災が起きてきました。しかし公式の気候記録では、危険な火災気象が増え、特に南部で火災シーズンが長くなっています。
  • 2026年1月のビクトリア州の火災は44万ヘクタール以上を焼き、2009年の「ブラック・サタデー」の火災を上回る面積となりました。住宅451棟とほかの建物1,110棟が失われ、1人が亡くなりました。
  • この火災による保険業界の損害推計は2026年4月までに8.1億豪ドルに上がり、2026年に初めて「保険カタストロフィ」と宣言された出来事になりました。
  • 2026年春の全国の見通しでは、7つの州・準州で平年より高い火災の可能性が見込まれています。2026年6月には強いエルニーニョが宣言されました。
44万ha以上焼失面積、ビクトリア州、2026年夏の火災
451棟焼失した住宅、ビクトリア州、2026年夏の火災
8.1億豪ドル保険損害の推計、ビクトリア州の火災(2026年4月)
7平年より火災の可能性が高い州・準州、2026年春

数字が示すこと

2025-26年のシーズンは、ビクトリア州にとってブラック・サタデー以来最も大きな被害を出しました。2026年1月7日から記録的な暑さの中で発生した火災は、18の自治体にまたがる草地、農地、森林を焼きました。2026年7月に提出された議会の調査報告(英語)は、焼失面積を44万ヘクタール以上としています。住宅451棟とほかの建物1,110棟が焼け、家畜は45,000頭以上が失われ、1人が亡くなりました。1月の保険業界の初期推計では、失われた住宅は約330棟とされていました。Risk Frontiersの現地調査(英語)によると、ロングウッドの火災だけで173棟以上の住宅が焼失しました。

保険の数字が規模を示しています。オーストラリア保険協会は1月11日に「重大事象」を宣言し、16日に「保険カタストロフィ」(英語)に引き上げました。この時点の請求は2,369件で、財物の請求の約30%が全損になる見込みでした。1月28日までに請求は3,123件、損害額は2億豪ドルを超えました。業界の損害推計機関PERILSは、推計額を2月の7.86億豪ドルから2026年4月には8.1億豪ドル(英語)に引き上げました。これらの推計は暫定値で、保険金の支払いが進むにつれて改訂されます。比較すると、2024-25年のグランピアンズ(ガリウェルド)の火災は21日間で76,000ヘクタールを焼きましたが、焼失した住宅は4棟でした。

背景にあるもの

気象局(BoM)とCSIROの「気候の現状2024」(英語)は、1950年代以降、オーストラリアの広い範囲、特に南部で、極端な火災気象が増え、火災シーズンが長くなったと報告しています。危険な火災気象の日はこれからも増えると見込まれています。より暑く乾いた気候で草や落ち葉が乾き、燃えやすい燃料が増えるためです。

年ごとのリスクの所在は、雨と燃料で決まります。2025年夏の見通し(英語)は、1月の火災の数週間前に、ビクトリア州の一部で深刻な雨不足を指摘していました。2026年春について、AFAC(英語)は、多い燃料、続く雨不足、そしてオーストラリアの多くの地域に暑く乾いた天気をもたらしやすい強いエルニーニョを挙げています。

最近の事例

  • 2026年7月28日:ビクトリア州議会上院の環境・計画委員会が、2026年夏の火災に関する報告書を提出しました。93の認定と80の勧告を含み、政府は6か月以内に回答します(ABC News、英語)。
  • 2026年1月28日:オーストラリア保険協会が、ビクトリア州の火災による保険損害が3,123件の請求で2億豪ドルを超えたと発表しました(オーストラリア保険協会、英語)。
  • 2026年1月16日:火災が18の自治体を対象とする「保険カタストロフィ」に引き上げられ、2026年最初の宣言となりました(オーストラリア保険協会、英語)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、新しい順に載せています。多くはオーストラリア連邦政府、州・準州の機関、規制機関、事故調査機関、国の統計機関の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り報道も含めています。タイトルは原文(英語)のままです。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

オーストラリアの森林火災に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の44件、1年に最大5件、新しい順

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2010

2009

2007

さかのぼった年には5件に満たないところがあります。オーストラリア政府の古い発表の多くは元のアドレスで公開されておらず、見つけて確認できたものだけを載せているためです。

写真リスト

ニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州の上空に広がる森林火災の煙を写した衛星画像
2019年12月17日、NOAA-20衛星がとらえた「ブラック・サマー」の火災。写真:NOAA / NESDIS(Wikimedia Commons、パブリックドメイン)
計画的な野焼きの中で燃えるグラスツリー
資料写真:西オーストラリア州で、計画的な野焼きの中で燃えるグラスツリー、2013年。写真:JarrahTree(Wikimedia Commons、CC BY 2.5 AU)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。暫定値は後で改訂されるため、そう明記しています。オーストラリアの統計は州・準州ごとに別々に公表されることが多く、会計年度は7月から翌年6月までのため、それぞれの数値がどの地域・期間のものかを書いています。写真はパブリックドメインまたはクリエイティブ・コモンズの画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書いていない限り、記事中の出来事を写したものではありません。このページは動向をまとめたもので、個人の安全・医療・法律・金融に関する助言ではありません。