オーストラリアの不慮の事故:転倒と過剰摂取が増加

ブリスベンのバスターミナルで歩行車を使って歩く高齢者
資料写真:ブリスベンのローマ・ストリートで歩行補助具を使う乗客。転倒は高齢者のけがの最大の原因です。写真:John Robert McPherson(Wikimedia Commons、CC0)
転倒と過剰摂取が増加2026年10月4日更新

トレンドの要約

  • オーストラリアの重いけがのほとんどは、劇的な事故ではありません。転倒、それも主に家の中での高齢者の転倒で、高齢化とともに増えています。
  • 2024-25年度、転倒による入院は253,800件で、けがによる入院全体の43%を占めました。その率は10年で人口10万人あたり849から926に上がっています。
  • 2024年の薬物による死亡は2,596人で過去最多となり、交通事故の死者のほぼ2倍です。
  • 溺死は前年の過去最多357人から12%減って2025-26年度は313人、記録された労働災害の死者は2024年に188人に減りました。
253,800件転倒による入院、オーストラリア、2024-25年度
6,722人転倒による死者、2023-24年度(けがによる死亡の43%)
2,596人薬物による死者、2024年(過去最多)
313人溺死者、2025-26年度(−12%)

数字が示すこと

全国の基準となるのは、保健福祉研究所(AIHW)の「オーストラリアのけが」(英語)報告です。2023-24年度のけがによる死者は約15,800人(人口10万人あたり59人)でした。転倒(英語)は、けがによる入院と死亡の両方で最大の原因です。2024-25年度の入院は253,800件、2023-24年度の死者は6,722人でした。そのうち約6,400人、95%が65歳以上で、85歳以上の率が飛び抜けて高くなっています。けがによる死亡の3番目の原因は不慮の中毒で、2023-24年度は1,597人でした(AIHW、英語)。

ほかの原因は、それぞれ違う方向に動いています。ロイヤル・ライフ・セービングとサーフ・ライフ・セービング・オーストラリアの「全国溺死報告2026」(英語)は、2025-26年度の溺死を313人と数えました。過去最多の357人から減りましたが、10年平均をまだ10%上回っています。5歳未満の子どもの溺死は11人で、平均より39%少なくなりました。職場では、セーフ・ワーク・オーストラリア(英語)が2024年の労働災害による死者を188人(労働者10万人あたり1.3人、5年平均より低い)と記録し、2023年の200人から減りました。

背景にあるもの

転倒が増え続ける主な理由は高齢化です。転倒による入院の多くは、平らな場所で滑ったり、つまずいたり、よろけたりしたもので、股関節や脚の骨折につながりがちです。AIHWは、2023-24年度に転倒が医療制度にかけた費用を約54億豪ドルと推計しています。転倒で入院するのは男性より女性が多くなっています(2024-25年度、人口10万人あたり1,021人対829人)。

もう一つ増えている原因が過剰摂取です。ペニントン研究所(英語)によると、2024年に最も多く関わっていたのはオピオイド(1,083人)、覚醒剤(843人)、ベンゾジアゼピン(696人)で、ヘロイン、コカイン、アンフェタミンが関わる意図しない死亡は過去最多でした。職場では、死亡の約10人に4人が車両の事故、約8人に1人が高所からの墜落によるもので、農林水産業の死亡率が最も高くなっています。

最近の事例

  • 2026年9月10日:「全国溺死報告2026」が、2025-26年度の溺死を313人とし、過去最多の前年より12%少ないものの、複数の死者が出た事故は14件で、ほぼ10年で最多だったとしました(ILSF、英語)。
  • 2026年7月:AIHWが、2024-25年度の医療従事者のけがによる入院は819件で、最も多い原因は転倒(36%)、暴行による入院は10年で49件から126件に増えたと報告しました(AIHW、英語)。
  • 2026年3月:ロイヤル・ライフ・セービングが、2025-26年の夏の溺死は81人だったと発表しました(ロイヤル・ライフ・セービング、英語)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、1年に5件ずつ、新しい順に載せています。多くはオーストラリア連邦政府、州・準州の機関、規制機関、事故調査機関、国の統計機関の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り報道も含めています。タイトルは原文(英語)のままです。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

オーストラリアの不慮の事故に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の39件、1年に最大5件、新しい順

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

さかのぼった年には5件に満たないところがあります。オーストラリア政府の古い発表の多くは元のアドレスで公開されておらず、見つけて確認できたものだけを載せているためです。

写真リスト

ビーチでレスキューボードを持つサーフライフセーバー
資料写真:監視にあたるサーフライフセーバー。写真:Simon_sees(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)
シドニーの建設現場
資料写真:シドニー・ケンジントンの建設現場。写真:Sardaka(Wikimedia Commons、CC0)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。暫定値は後で改訂されるため、そう明記しています。オーストラリアの統計は州・準州ごとに別々に公表されることが多く、会計年度は7月から翌年6月までのため、それぞれの数値がどの地域・期間のものかを書いています。写真はパブリックドメインまたはクリエイティブ・コモンズの画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書いていない限り、記事中の出来事を写したものではありません。このページは動向をまとめたもので、個人の安全・医療・法律・金融に関する助言ではありません。