ブラジルの感染症:デング熱は峠越え、結核死は増加

連邦直轄区ブラズランジアで、ネッタイシマカ対策の殺虫剤を噴霧するトラック
資料写真:2016年2月、連邦直轄区ブラズランジアでネッタイシマカ対策の殺虫剤を噴霧するトラック(フマセー)。 写真:Renato Araújo/Agência Brasília(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)
デング減、結核増更新 2026年10月20日

トレンドの要約

  • デング熱は2024年に過去最多を記録しました。推定症例は6,484,890件、死者は5,972人です。その後は大きく減り、2026年9月下旬までで約470,500件となっています。
  • 結核で亡くなる人が増えています。2024年の死者は6,376人で、保健省の統計で最も多い数字です。一方、2025年の新規患者は84,368人とやや減りました。
  • 麻疹(はしか)は再び流行し、再び排除されました。ブラジルは2019年に排除国の認定を失い、2024年11月に汎米保健機構(PAHO)から再認定を受けました。2026年の輸入症例は52件です。
  • ワクチンという新しい手段が加わりました。Qdengaは2023年に統一保健システム(SUS)に導入されました。ブタンタン研究所の1回接種型ワクチンは2025年12月に登録されましたが、2026年6月に安全性の確認のため使用が停止されました。
648万デング熱の推定症例(2024年)
5,972デング熱の死者(2024年)
6,376結核の死者(2024年)
700,000新型コロナの死者(2023年3月時点)

数字で見る現状

最も目を引く数字はデング熱です。2024年、ブラジルでは推定症例6,484,890件、死者5,972人が記録され、さらに908人の死亡が調査中でした。人口10万人あたりの発生率は3,193.5です。サンパウロ州だけで2,182,875件にのぼりました(アジェンシア・ブラジル(Agência Brasil))。死者の最多記録はその直前に更新されたばかりで、2022年の1,053人に対し、2023年は1,079人でした(アジェンシア・ブラジル)。規模を比べると、2013年は130万件、2015年は5月末までに100万件を超えていました(上院ニュース(Agência Senado))。その後、2025年は170万件に減り(アジェンシア・ブラジル)、2026年9月26日までの推定症例は470,500件と、前年同期より約70%少なくなっています(アジェンシア・ブラジル)。

ほかの感染症は、それぞれ違う動きを見せています。結核の新規患者は2025年に84,368人(10万人あたり39.5)でしたが、死者は2014〜2020年の年約4,500人から、2024年には6,376人に増えました(保健省)。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の死者は2023年3月までに70万人に達しました(アジェンシア・ブラジル)。2016〜17年の黄熱の流行では確定症例777件、死者261人が出ました(アジェンシア・ブラジル)。次のシーズンはさらに深刻で、2018年3月20日までに1,098件、死者340人となりました(アジェンシア・ブラジル)。麻疹の確定症例は2018年に10,274件に達しています(アジェンシア・ブラジル)。2009年には新型インフルエンザ(H1N1)による死者が8月中旬までに192人になりました(下院)。2025年のマラリアは1979年以降で最も少なく、死者は54人から39人に減りました(アジェンシア・ブラジル)。

背景にあるもの

流行の波の大半は蚊が生み出しています。ネッタイシマカ(Aedes aegypti)はデング熱、チクングニア熱、ジカ熱を媒介します。2026年に調査データを報告した3,732の自治体のうち、ほぼ半数(49.2%)が「警戒」または「危険」の水準でした。発生源の多くは、家庭の小さな容器、貯水タンク、タイヤ、ごみでした(アジェンシア・ブラジル)。チクングニア熱は2014年9月に初めて国内での感染が確認されました(アジェンシア・ブラジル)。別のウイルスによるオロプーシェ熱は、2024年8月中旬までに7,653件に達し、バイーア州で2人が亡くなり、胎児への影響も疑われています(アジェンシア・ブラジル)。

麻疹の経緯は、予防接種の空白で説明できます。ブラジルは2万件を超える患者の急増を受けて2019年に認定を失い、2024年11月に取り戻しました。2025年のMMRワクチン(麻疹・おたふくかぜ・風疹)の1回目の接種率は93.10%でした(保健省)。結核では、HIVの影響が大きくなっています。2025年の新規結核患者の14.0%がHIVにも感染しており、記録上最も高い割合です(保健省)。

最近の事例

  • 2026年10月8日:今年2回目の全国ネッタイシマカ調査で、3,732自治体の49.2%が「警戒」または「危険」の水準とされました。9月26日までのデング熱の推定症例は470,500件で、前年同期の150万件を大きく下回りました。チクングニア熱も118,885件から約67,900件に減っています(アジェンシア・ブラジル)。
  • 2026年10月6日:米国での流行を受け、保健省は麻疹対策を強化しました。2026年のブラジルの輸入症例は52件(サンパウロ41件、アマゾナス10件、リオデジャネイロ1件)ですが、国内での土着的な感染は起きていません(保健省)。
  • 2026年6月8日:保健省は予防措置として、ブタンタン研究所のデング熱ワクチンの使用を停止しました。接種は50万回をわずかに超えたところで、42人に警告徴候が見られ、3人が入院し、2人が亡くなりました。ワクチンとの関連は確認されておらず、Qdengaの接種は続けられました(アジェンシア・ブラジル)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、1年に5件ずつ、新しい順に載せています。多くは保健省、国立宇宙研究所(INPE)、連邦道路警察(PRF)、航空事故調査防止センター(CENIPA)、中央銀行などの連邦機関、公共通信社アジェンシア・ブラジル、上院・下院の通信、州政府の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り報道記事も含めています。タイトルはポルトガル語の原文を英訳したものです。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

ブラジルの感染症に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の80件、1年5件、新しい順

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

写真リスト

ネッタイシマカの接写
資料写真:デング熱、ジカ熱、チクングニア熱を媒介するネッタイシマカ。 写真:Graham Snodgrass/Army Medicine(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)
リオデジャネイロのオズワルド・クルス財団(Fiocruz)ワクチン技術センター
資料写真:リオデジャネイロのオズワルド・クルス財団(Fiocruz)ワクチン技術センター。 写真:Alex Rio Brazil(Wikimedia Commons、パブリックドメイン)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。速報値・暫定値は後で改訂されるため、その旨を明記しています。ブラジル全国の死亡データは保健省の死亡情報システム(SIM/DATASUS)によるもので、確定までにふつう2年ほどかかります。また火災のように全国の統一集計がない分野もあるため、それぞれの数値が何年のどの資料のものかを書いています。金額はレアル(R$)で示しています。見出しや引用はポルトガル語からの翻訳です。写真はパブリックドメインまたはクリエイティブ・コモンズの画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書かない限り本文の出来事の写真ではありません。このページは傾向をまとめたもので、個別の安全・医療・法律・金融の助言ではありません。