インドの感染症:死者は減少、新たな流行も

インドの女性地域保健ワーカー
資料写真:インドの女性地域保健ワーカー。 写真:CDC Global(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)
結核とマラリアは減少更新 2026年10月18日

トレンドの要約

  • 結核は減っていますが、そのペースはゆっくりです。世界保健機関(WHO)の推計では、2024年のインドの結核罹患率は人口10万人あたり187で、2015年の237から21%下がりました。それでも2024年に結核と診断された人は261万8,000人にのぼります。
  • マラリアは大きく減りました。記録された患者は2015年の117万人から2024年には255,500人に、死者は384人から86人に減っています。
  • デング熱は年によって大きく揺れます。公式の数字では2023年が289,235人、2024年が233,519人、2025年が121,824人でした。死者は少ないものの、これは報告された患者だけの数です。
  • 動物由来のウイルスが繰り返し現れています。ケララ州では2018年以降ニパウイルスの流行が9回あり、西ベンガル州でも2026年1月に2人の感染が確認されました。薬剤耐性については、独立した国家計画(NAP-AMR 2.0、2025〜29年)がつくられています。
187人口10万人あたりの結核罹患率(2024年、2015年は237)
255,500記録されたマラリア患者数(2024年、2015年は117万人)
121,824記録されたデング熱患者数(2025年、2023年は289,235人)
9ケララ州のニパウイルス流行回数(2018年〜2025年半ば)

数字で見る現状

結核はいまもインドで最も多くの命を奪う感染症です。保健・家族福祉省がまとめたWHO世界結核報告書2025によると、結核の罹患率は2015年から2024年の間に人口10万人あたり237から187へ21%下がりました。世界全体の下げ幅は12%です。結核による死亡率は10万人あたり28から21に下がりました。インドは2024年、推計270万人のうち261万8,000人を診断し、見つかっていない「見逃し」患者の推計は2015年の約150万人から10万人未満に減りました(出典)。ただし、2025年までに罹患率を2015年比で80%減らすという国の目標には遠く届いていません(報道情報局(PIB))。

蚊が媒介する病気には二つの流れがあります。マラリアは2015年の1,169,261人・死者384人(国立媒介性疾患対策センター(NCVBDC))から、2024年には255,500人・死者86人、2025年には233,917人・死者76人に減りました(NCVBDC)。デング熱は同じ道をたどっていません。国の対策プログラムの記録では、2021年が193,245人、2023年が289,235人、2024年が233,519人、2025年が121,824人で、昨年の死者は131人でした(NCVBDC)。

呼吸器のウイルスは波のように押し寄せます。2009年のH1N1パンデミックでは、インドでその年に27,236人の感染が確認され981人が亡くなり、2010年には20,604人の感染と1,763人の死者が出ました。2015年初めの再流行では、8週間足らずで14,673人の感染と841人の死者が記録されました(出典)。インドの新型コロナワクチン接種は、2021年1月16日の開始から18か月後の2022年7月17日に20億回を超えました(出典)。

背景にあるもの

最近の結核対策の多くは、患者を早く見つけることに向けられています。2024年12月7日に100日間のスクリーニング運動が始まって以来、2億人を超える人が検査を受け、280万人を超える結核患者が診断されました。そのうち約90万人は症状がありませんでした(出典)。患者には食費として月1,000ルピーが支給され、薬剤耐性結核の患者15,000人以上が、より短いBPaLM療法を始めています。マラリアでは2022〜24年に160の県で患者がゼロになり、デング熱の検査は2007年の110か所から869か所の定点病院に広がりました(出典、出典)。

残るリスクは抑えるのがより難しいものです。ニパウイルスはオオコウモリから人にうつり、ケララ州の流行の多くはコジコーデ県とマラップラム県で起きています(WHO)。2022年には麻疹が再び広がり、マハーラーシュトラ州では12月12日までに3,075人が感染し13人が亡くなりました(PIB)。抗生物質の誤用は耐性菌を生みます。ケララ州とグジャラート州は抗生物質の処方箋なしの販売を最初に禁じた州で、2025年11月には第2次の国家AMR計画が始まりました(出典)。

最近の事例

  • 2026年10月13日:政府の最新情報によると、結核のスクリーニングを受けた人は累計2億8,100万人を超え、46,118の村議会が「結核ゼロ」と認定されました。治療のカバー率は92%でした(PIB)。
  • 2026年8月25日:保健・家族福祉省は、73のウイルス検査施設で季節性インフルエンザを監視しており、2025年以降、H1N1の系統(サブクレードD.3.1.1)がインドで流行していると発表しました(PIB)。
  • 2026年6月25日:WHOは、ケララ州コジコーデでニパウイルスの感染者1人が6月11日に確認されたと報告しました。接触者104人を健康観察中で、ほかの感染者は見つかっていません(WHO)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、1年に5件ずつ、新しい順に載せています。多くはインド政府の各省が報道情報局(PIB)を通じて出した発表や、国家犯罪記録局(NCRB)、インド準備銀行(RBI)、国立地震センター(NCS)などの全国機関、州政府の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り、報道やデータ分析の記事も含めています。タイトルは原文(英語)のままです。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

インドの感染症に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の26件、1年最大5件、新しい順

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2012

2010

5件に満たない年が多く、まだ1件もない年もあります。インド政府の古い発表は元のアドレスで見つけにくく、実際に開いて確認できたものだけを載せているためです。リストは今後も追加していきます。ページに日付がない場合は、発表のアドレスや発行元の一覧にある日付を使っています。

写真リスト

ネッタイシマカのクローズアップ
資料写真:デング熱を主に媒介するネッタイシマカ。 写真:US Army Medicine(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)
北24パルガナス県のジャドゥルハティ一次保健センター
資料写真:西ベンガル州北24パルガナス県のジャドゥルハティ一次保健センター。 写真:Biswarup Ganguly(Wikimedia Commons、CC BY 3.0)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。速報値・暫定値は後で改訂されるため、そう明記しています。インドの統計の多くは州ごとに集計され、1〜2年遅れて公表されるため(NCRBの2024年の事故統計は2026年に公表)、それぞれの数値が何年のものかを書いています。大きな数は国際的な表記で示し、インドの資料がラーク(10万)やクロール(1000万)を使う場合は括弧で添えています。写真はパブリックドメインまたはクリエイティブ・コモンズの画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書かない限り本文の出来事の写真ではありません。このページは傾向をまとめたもので、個別の安全・医療・法律・金融の助言ではありません。