カナダの海難事故:危険はいまも漁業に

救命スーツを着て救助艇に乗るカナダ沿岸警備隊の隊員
資料写真:2022年5月、ニューファンドランド州セントジョンズ近くで捜索救助の訓練をするカナダ沿岸警備隊。 写真:Travis Magee, US Coast Guard(Wikimedia Commons、パブリックドメイン)
船の事故死は減少、溺死は増加更新 2026年10月17日

トレンドの要約

  • カナダの商業船舶での死者は減りましたが、漁業はいまも水上で最も危険な仕事で、湖や川での溺死は増えています。
  • 運輸安全委員会(TSB)は2025年に商業船舶の事故257件、死者6人を記録しました。10年平均は15人です。
  • 2025年に失われた13隻のうち10隻が漁船でした。2010年以降、商業漁業で143人が亡くなっています。
  • 溺死は2022年に560人と、10年分のデータで最多になり、その約5件に1件にボートが関わっていました。
6人船舶事故の死者(2025年、10年平均15人)
257件商業船舶の事故(2025年)
13隻中10隻2025年に失われた船のうち漁船
560人カナダの溺死者(2022年)

数字が示すこと

TSBの2025年の海上統計では、事故は257件で、2024年の213件から増えたものの10年平均の267件に近い水準です。死者は6人で、うち3人が商業漁業でした。2024年は12人の死者のうち10人が漁業です。漁船の事故率は2025年に稼働漁船1,000隻あたり6.5件と、平均の5.2件を上回りました。

TSBの統計はプレジャーボートを含みません。そちらについては救命協会(Lifesaving Society)が、2022年の不慮の溺死を560人(10万人あたり1.4人)と報告しており、2013年の466人から増えています。溺死率が最も高いのは65歳以上です。

背景にあるもの

商業漁業は何年もTSBの重点監視リストに載っています。安定性の確認をしないまま改造された船、着用されない救命胴衣やイマージョンスーツ、一人作業や悪天候での作業、そして運輸省の監督のばらつきです。プレジャーボートについてカナダ赤十字は、ボートでの死亡の50〜85%は救命胴衣で防げたと推計し、15歳以上の死者の少なくとも43%にアルコールが関わっていたとしています。

タイタン号の調査では別の穴も明らかになりました。TSBは、運輸省がこの潜水艇をまったく監督していなかったと認定し、6件の勧告を出しています(TSB)。

最近の事例

  • 2026年6月17日:TSBが、5人が死亡した2023年6月の潜水艇タイタン号の圧壊事故について最終報告を公表(TSB)。
  • 2025年11月4日:TSBがケベック州ラ・タバティエール近くで起きた漁船シルバー・コンドル号の死亡沈没事故を報告し、安全文化の強化を求める(TSB)。
  • 2025年7月23日:2022年のプリンスエドワードアイランド沖のフェリー、ホリデー・アイランド号の火災を受け、TSBが船舶火災の全国調査を開始(TSB)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、1年に5件ずつ、新しい順に載せています。多くは連邦政府の省庁・機関、運輸安全委員会(TSB)、カナダ統計局、州政府の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り、報道や業界紙の記事も含めています。タイトルは原文(英語・一部フランス語)のままです。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

カナダの海上安全に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の77件、1年最大5件、新しい順

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

初期の年には5件に満たない年があります。その時期のカナダ政府の発表の多くは元のアドレスでは公開されておらず、実際に開いて確認できたものだけを載せているためです。ページに日付がない場合は、発表のアドレスや発行元の一覧にある日付を使っています。

写真リスト

干潮の泥の上に置かれた塗りたての漁船
資料写真:ノバスコシア州ホールズハーバーの漁船。 写真:RobNS(Wikimedia Commons、パブリックドメイン)
ターミナルを出る白と青の大型カーフェリー
資料写真:ラングデールを出るBCフェリーのクイーン・オブ・サリー号。 写真:Emma0mb(Wikimedia Commons、CC BY 4.0)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。速報値・暫定値は後で改訂されるため、そう明記しています。カナダの統計は州・準州ごとに集められることが多く、全国の統計が数年遅れることもあるため、それぞれの数値がどの地域・どの年のものかを書いています。写真はパブリックドメインまたはクリエイティブ・コモンズの画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書かない限り本文の出来事の写真ではありません。このページは傾向をまとめたもので、個別の安全・医療・法律・金融の助言ではありません。