ドイツの海難事故:事故は減少、けがは増加

DGzRSの海難救助艇
資料写真:DGzRSの海難救助艇ハロ・ケブケ号、2012年。写真:Tvabutzku1234(Wikimedia Commons、CC0)
事故は減少、けがは増加2026年10月6日更新

トレンドの要約

  • ドイツの水域やドイツ船籍の船が関わる重大な海難事故はわずかに減り、商業海運での死者は今ではまれです。ただし2025年は船上でのけがが増え、開けた水域での溺死のほうがはるかに大きな被害になっています。
  • 連邦海難事故調査局(BSU)は2025年に122件の海難事故を数え、2024年の131件から減りました。商業海運での死者は1人で、ヴェリティ号がドイツ湾で沈んだ2023年は6人でした。
  • 連邦水路・海運庁は、2024年に連邦水路で969件の事故(内陸784件、海上185件)を記録し、事故が最も多かったのはライン川でした。数値はまだ暫定値です。
  • 人命救助協会DLRGは、2025年にドイツの水域で393人の溺死を数え、そのうち22人は海でした。2026年9月半ばまでに、ボート、カヤック、SUPが関わる事故で24人が亡くなっています。
122件IMOコードに基づく海難事故、BSU、2025年(2024年は131件)
1人商業海運での死者・行方不明者、BSU、2025年(2023年は6人)
969件連邦水路での事故、ドイツ、2024年(暫定値)
393人ドイツの水域での溺死者(全原因)、DLRG、2025年

数字が示すこと

海の事故の全国の主な記録は、連邦海難事故調査局(BSU)(英語)の年次報告です。ドイツの領海内のすべての海難事故と、世界中のドイツ船籍の外航船が関わるすべての海難事故を対象にしています。「年次報告2025」(英語)では、通報は599件で2024年の625件から減り、国際的なIMOコードに基づく海難事故は131件から122件に減りました。そのうち94件は軽度、26件は重大、2件は非常に重大で、シルト島の西で元パイロットボートのシー・ダガー号が沈没した事故と、タンカーのシートラウト号での係留作業中の死亡事故でした。2025年の商業海運での船員の死者は1人で、2024年は2人、2023年は6人でしたが、けが人は43人と2017年以降で最多でした。レジャーボートの死者は3人で、前の2年とそれぞれ同じです。船どうしの衝突は19件から29件に、橋や岸壁など固定物への衝突は22件から28件に増えました。

内陸水路は別に、しかもつい最近になって数えられるようになりました。2020年、連邦統計局(Destatis)は、ドイツの公式統計には内陸水路での船の事故のデータがないと指摘しました(ドイツ語)。2023年7月から、各州の水上警察が連邦のデータベース「HAVARIS」に事故を記録しています。連邦水路・海運庁(GDWS)の「交通報告2024」(ドイツ語)は、2024年の連邦水路での事故を969件(内陸784件、海上185件)としています。2025年7月30日時点の数字で、まだ変わる可能性があります。すでに処理が終わった767件のうち217件は国内で最も交通量の多いライン川で、エルベ川(97件)、下ハーフェル水路(89件)が続き、ここではレジャー艇の事故が大半でした。主な原因は操船の誤りで449件でした。船の上よりも水の中で亡くなる人のほうがはるかに多く、DLRG(ドイツ人命救助協会、ドイツ語)は2025年の溺死を少なくとも393人と数えました。2024年より18人少なく、88%は湖や川などの内陸の水域で、海は22人(2024年は30人)でした。

背景にあるもの

BSUは、ドイツの水域では交通量が多いまま、海の空間がますます限られていると指摘しています。最近の最悪の事故がその重さを示しています。2023年10月24日、英国の貨物船ヴェリティ号がヘルゴラント島の南西の分離通航帯でばら積み船ポレシエ号と衝突して沈み、船員5人が死亡または行方不明となりました(ハヴァリーコマンド、ドイツ語)。調査は英国のMAIBが主導して2026年2月に報告書を公表し、BSUは2026年8月に補足声明(英語)を出しました。もう一つの懸念は自動車運搬船の火災です。2023年7月、ブレーマーハーフェンからポートサイドへ2,875台の車を運んでいたフリーマントル・ハイウェイ号がオランダのアメラント島沖で燃え、ドイツの海上緊急事態の合同司令部ハヴァリーコマンドは、ドイツの水域に汚染が及ぶ事態に備えました(ハヴァリーコマンド、ドイツ語)。2026年1月には、別の自動車運搬船テムズ・ハイウェイ号がエムデンを出た直後に機関室から出火しました(ハヴァリーコマンド、ドイツ語)。

商業船でのけがの多くは船上の作業から生じます。BSUは、2025年のけが人の出た事故の約半数(31件中15件)を労働安全の不備によるものとしています。水上全体では、天候が数字を左右します。DLRGによると、2026年6月は2003年以降で最も溺死の多い月で、少なくとも101人が亡くなり、2026年9月15日までの暫定値は320人と、2025年の同時期の328人をわずかに下回りました(DLRG、ドイツ語)。ボランティアによる海難救助組織DGzRSは、2025年に約1,720回出動し、差し迫った危険から135人を救助しました(ラジオ・ブレーメンが伝えたDGzRSの数字、ドイツ語)。

最近の事例

  • 2026年9月30日:アイダーシュテット半島沖のワッデン海で木造のエビ漁船が大量に浸水し、DGzRSの救助艇2隻が向かいました。漁師2人にけがはありませんでした(DGzRS、ドイツ語)。
  • 2026年9月26日:バルト海のグライフスヴァルダー・オイエ島の港で、遊覧船ゼーアドラー号の操舵台から出火しました。乗組員が消し止め、救助艇が本土から消防士を運びました(DGzRS、ドイツ語)。
  • 2026年9月24日:BSUが、2025年9月25日にシルト島の西約70kmで元パイロットボートのシー・ダガー号が沈没した事故の中間報告を公表しました。乗組員2人は近くの船に無事救助されました(BSU、英語)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、1年に5件ずつ、新しい順に載せています。多くはドイツの連邦・州政府の機関、規制機関、事故調査機関、国の統計機関の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り報道も含めています。公式発表の多くはドイツ語のみのため、タイトルは英語訳で示し、リンクに(ドイツ語)と記しています。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

ドイツの海難事故に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の80件、1年に最大5件、新しい順

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

写真リスト

ライン川を進む内陸の貨物船
資料写真:ローレライ近くのライン川を進む内陸の貨物船、2013年。写真:Alf van Beem(Wikimedia Commons、CC0)
DLRGの水難救助車
資料写真:ザールブリュッケンのDLRGの水難救助車、2018年。写真:Alf van Beem(Wikimedia Commons、パブリックドメイン)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。暫定値は後で改訂されるため、そう明記しています。ドイツの統計は連邦州(ラント)ごとに別々に公表されることが多く、ドイツ語だけのものもあるため、それぞれの数値がどの地域・期間のものかを書き、タイトルは訳して示しています。写真はパブリックドメインまたはクリエイティブ・コモンズの画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書いていない限り、記事中の出来事を写したものではありません。このページは動向をまとめたもので、個人の安全・医療・法律・金融に関する助言ではありません。