インドの航空事故:まれでも被害は甚大

エア・インディアのボーイング787ドリームライナー VT-ANM
資料写真:エア・インディアのボーイング787-8 VT-ANM。2025年6月にアーメダバードで失われた機体と同じ型です。 写真:Mark Harkin(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)
まれだが致命的更新 2026年10月18日

トレンドの要約

  • インドで旅客機が墜落することはまれですが、起きれば被害は甚大です。2025年6月12日、アーメダバードを離陸した直後に墜落したエア・インディアAI171便では260人が亡くなりました。
  • 下院(Lok Sabha)に示された政府の数字では、2025年は7月下旬までに民間航空事故8件、死者274人でした。インドの定期便機の事故は2015年以降で18件です。
  • 事故の多くは小型機で起きています。飛行学校、チャーター会社、ヘリコプターで、巡礼路ケダルナートでは墜落が繰り返されています。
  • 監督体制は書類の上では改善しました。2022年11月の国際民間航空機関(ICAO)の監査で、インドの安全監督の評点は69.95%から85.49%に上がりました。AI171便の最終報告書はまだ出ていません。
260AI171便墜落の死者(2025年)
274民間航空事故の死者(2025年1〜7月)
18定期航空便の事故件数(2015年〜2025年7月)
85.49%ICAOの安全監督評点(2022年監査)

数字で見る現状

2025年6月12日、242人を乗せたエア・インディアのボーイング787-8型機が、ロンドン・ガトウィック行きとしてアーメダバードを出発して1分もたたずに墜落しました。調査当局の予備報告書によると、機内で241人、地上で19人が亡くなり、生存者は乗客1人だけでした。報告書は、機体が180ノットに達した直後、両エンジンの燃料制御スイッチが1秒の間隔でRUNからCUTOFFに切り替わっていたとしています。2025年7月31日の下院への書面答弁で、民間航空担当の国務大臣は、この年の事故は8件で274人が亡くなったと述べました。内訳は定期旅客機1件、訓練機3件、ヘリコプター4件です(PTI(The Week掲載))。

長い期間で見ると、記録はもっと静かです。同じ答弁では、2015年以降のインドの定期便機の事故は18件でした。航空機事故調査局(AAIB)のデータを分析したFactlyによると、2012年7月から2025年4月までに事故が102件、重大インシデントが121件あり、事故が最も多かったのは2022年(12件)でした。過去の大事故はいまも規則に影響しています。2010年5月にはマンガロールで158人が亡くなり(報道情報局(PIB))、2020年8月にはエア・インディア・エクスプレスのボーイング737がコジコーデのテーブルトップ滑走路をオーバーランして21人が亡くなりました(AAIB最終報告書)。

背景にあるもの

事故の多くは大手航空会社以外で起きています。AAIBの報告書一覧の大半は飛行学校、チャーター会社、ヘリコプター運航会社のもので、ウッタラーカンド州の巡礼路ケダルナートは何度も登場します。同地の墜落は2013年、2019年、2022年、2023年、そして2025年に2回調査されました。航空需要も伸び続けています。2025年11月23日には、国内線の1日の旅客数が過去最多の538,429人に達しました(民間航空省)。

AI171便の事故のあと、規制当局は検査を強めました。2025年6月の民間航空総局(DGCA)の一斉監視では、繰り返し起きる機体の不具合、整備の不備、古いソフトウェアのまま動いていたシミュレーターが見つかりました。民間航空省はその後、DGCA内にヘリコプター専門の部局を設けることと、2025年10月1日から飛行学校の格付け制度を始めることを発表しています(年末レビュー)。航空会社がDGCAに報告した技術的不具合は、2021年514件、2022年528件、2023年448件でした(下院答弁)。

最近の事例

  • 2026年7月15日:AAIBは最高裁判所への宣誓供述書で、AI171便墜落の最終報告書の草案は2026年10月に出る見込みだと述べました(PTI(Telangana Today掲載))。
  • 2026年6月12日:AI171便の事故から1年の日、AAIBは、最終報告書はすべての技術的作業とICAO第13附属書に基づく国際的な検討が終わってから出すと述べました(PIB)。
  • 2026年1月28日:マハーラーシュトラ州バラマティでリアジェット45が墜落し、アジット・パワール副州首相を含む乗っていた5人全員が亡くなりました。調査はAAIBが引き継ぎました(PIB)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、1年に最大5件、新しい順に載せています。多くはインド政府の各省が報道情報局(PIB)を通じて出した発表や、国家犯罪記録局(NCRB)、インド準備銀行(RBI)、国立地震センター(NCS)などの全国機関、州政府の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り、報道やデータ分析の記事も含めています。タイトルは原文(英語)のままです。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

この年の発表はオンラインで確認できませんでした。

インドの航空事故に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の10件、1年最大5件、新しい順

2022

2021

2019

2015

2010

5件に満たない年が多く、まだ1件もない年もあります。インド政府の古い発表は元のアドレスで見つけにくく、実際に開いて確認できたものだけを載せているためです。リストは今後も追加していきます。ページに日付がない場合は、発表のアドレスや発行元の一覧にある日付を使っています。

写真リスト

アーメダバードのサルダール・ヴァッラブバーイー・パテール国際空港のターミナル
資料写真:アーメダバードのサルダール・ヴァッラブバーイー・パテール国際空港。 写真:Hardik Jadeja(Wikimedia Commons、CC BY 3.0)
カトラ近くで離陸するパワン・ハンスのヘリコプター
資料写真:カトラとヴァイシュノー・デーヴィーを結ぶ巡礼シャトルのパワン・ハンスのヘリコプター。 写真:KuwarOnline(Wikimedia Commons、CC BY 3.0)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。速報値・暫定値は後で改訂されるため、そう明記しています。インドの統計の多くは州ごとに集計され、1〜2年遅れて公表されるため(NCRBの2024年の事故統計は2026年に公表)、それぞれの数値が何年のものかを書いています。大きな数は国際的な表記で示し、インドの資料がラーク(10万)やクロール(1000万)を使う場合は括弧で添えています。写真はパブリックドメインまたはクリエイティブ・コモンズの画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書かない限り本文の出来事の写真ではありません。このページは傾向をまとめたもので、個別の安全・医療・法律・金融の助言ではありません。