ROR Labs カバー画像:4.8% しか届け出ない
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公的機関・銀行のなりすまし詐欺:研究データでわかったこと

この記事のポイント ・約13分で読めます

  • 2025年、米国人がなりすまし詐欺で失ったと報告した額は35億ドルを超えました。偽の公務員に関するFBIへの苦情はほぼ倍増し、32,424件になりました。
  • 詐欺の被害を公的機関などに届け出る人は約4.8%にすぎません。FTCは2024年の実際の詐欺被害を、報告額125億ドルに対し313億〜1,959億ドルと推計しています。
  • 架空の政府機関から電話をかけた実験では、高齢者644人のうち16.4%が疑うことなく応じました。
  • 英国の返金ルールでは、請求のあった3億1,600万ポンドの88%が返金され、対象内の被害は約21%減りました。一方で、暗号資産交換所や海外を経由する詐欺は増えました。

2025年、米国人は連邦取引委員会(FTC)に対し、なりすまし詐欺で35億ドルを超える被害を受けたと報告しました。なりすまし詐欺は5年連続で最も多く報告された詐欺です。FBIのインターネット犯罪苦情センター(IC3)には、政府職員を名乗る詐欺の苦情が32,424件寄せられ、前年の17,367件のほぼ倍で、報告された被害額は7億9,790万ドルでした。韓国では、ボイスフィッシングの被害額が初めて1兆ウォンを超えました。

これらの数字の背後にある手口は昔からのものです。税務署、警察、規制当局、あるいは取引銀行の不正対策チームを名乗る人物が、あなたのお金や身元が危険にさらされている、今すぐ行動しなければならないと告げます。示される解決策はほぼいつも同じです。お金を「安全な」場所に移すか、保管のために渡すこと。その安全な場所は、相手のものです。

この記事では、研究と公的データからわかることを整理します。報告された被害がどれだけ実態を取りこぼしているか、慎重な人がなぜ従ってしまうのか、「安全な口座」や受け子を使う詐欺の仕組み、英国が銀行に被害者への返金を義務づけた結果、韓国の被害がなぜ急増したのか、そして注意喚起は役に立つのか。複製した声を使う家族の緊急事態を装った電話は別の詐欺なので、ここでは扱いません。

点描画:夕暮れの窓辺、木のサイドテーブルの上に古い卓上電話が置かれ、受話器は元の位置にある。ダイヤルの上に小さな琥珀色の光が一つ。
最も高くつく詐欺の多くは、今もふつうの電話から始まる。

報告された数字

FTCの消費者センチネル(Consumer Sentinel)のデータベースは、米国で最大の公開された詐欺の記録です。2024年には260万人の消費者から報告があり、被害額は125億ドルで、2023年より25%増えました。なりすまし詐欺は29億5,000万ドルを占め、政府職員を装った詐欺の被害だけでも1億7,100万ドル増えて7億8,900万ドルになりました。2025年には報告された被害額の合計が159億ドルに達し、なりすまし詐欺は100万件を超える報告で35億ドルを超えました。FTCによれば、政府職員を装う詐欺の報告は40%増え、偽の高速道路料金の請求メッセージがそれを押し上げました。

FBIのデータも同じ方向を示しています。2025年の報告書では、インターネット犯罪全体で1,008,597件の苦情と209億ドルの被害が記録されました。政府職員のなりすましに関する苦情はほぼ倍増し、そのうち8,628件は60歳以上の人からで、被害額は4億1,320万ドルと、この分類の合計の半分以上でした。

FTCはまた、銀行振込と暗号資産による被害が、ほかのすべての支払い方法を合わせたより大きかったとしています。顧客が自分で行った振込は取り消すのが難しいのです。銀行は言われたとおりにしただけだからです。

数字が取りこぼすもの

ここまでの数字はすべて報告の件数で、ほとんどの詐欺は報告されません。FTCの複数の消費者調査を分析した2021年の研究では、詐欺にあった人のうち、政府機関やベター・ビジネス・ビューロー(BBB)に届け出たと答えたのはわずか4.8%でした。損失が1,000ドル未満では2.0%、1,000ドル以上では6.7%でした。

FTCはこうした調査結果を使い、実際の総額を推計しようとしています。2024年の詐欺被害全体は、報告された125億ドルに対し313億〜1,959億ドル、60歳以上の被害は101億〜815億ドルと推計しました。FTC自身、特に損失が大きい場合の届け出の少なさがよくわかっていないため、この推計には「かなりの不確実性」があると述べています。

報告された詐欺被害と、その陰に隠れているかもしれないもの

米国、全種類の詐欺、2024年。報告額と、届け出の少なさを補正したFTCの低い推計・高い推計の比較。

FTCへの報告額$12.5bn
低い推計(届け出不足を補正)$31.3bn
高い推計(届け出不足を補正)$195.9bn

出典:FTCプレスリリース(2025年3月)、FTC「Protecting Older Consumers 2024–2025」(2025年12月)。

届け出の少なさは、誰が危険にさらされているかの見え方もゆがめます。消費者センチネルへの苦情を分析した研究者によれば、高齢者は30歳以下の人より金銭的被害を報告する割合が低かった一方、実際に被害を受けた高齢者の損失は平均で大きくなっていました。報告件数の増加は、詐欺の増加とも、届け出る意欲の高まりとも、届け出の手段が簡単になったこととも考えられ、データだけではどれなのか判断できません。

慎重な人がなぜ従うのか

被害者はよく「だまされやすい人」と言われます。英国公正取引庁(OFT)向けの2009年の報告書で、Stephen Lea、Peter Fischer、Kath Evans は、詐欺に応じることを、詐欺がわざと引き起こすように作られた判断の誤りだと説明しました。同じ研究グループが2013年に発表した2つの質問紙調査では、詐欺に応じたことのある人とない人は、大きな報酬への反応、自信の強さ、そして公的な権威のしるしに頼る度合いが違っていました。

なりすまし詐欺はこの最後の要因を利用し、さらに恐怖を加えます。米社会保障局(SSA)の職員を装った電話についての600件の苦情の記述を調べた研究では、逮捕や銀行口座・社会保障番号の停止をちらつかせ、ギフトカードを買う、送金する、暗号資産ATMに現金を入れるなどすれば「容疑」は取り消せると迫る手口が見つかりました。それ以前に100通のフィッシングメールを分析した研究でも、口座に関する警告のあとに、急がせ脅すような口調が続くのが典型でした。

最も直接的な測定は実験から得られています。2021年の終わり、シカゴのラッシュ大学の研究者は、米証券業界の自主規制機関FINRAの投資家教育財団と協力し、長期の加齢研究に参加する高齢者644人に、架空の「米国退職保護タスクフォース」の名で連絡し、給付に関わるファイルに不審な動きがあると伝えました。ほとんどの人は反応しませんでした。しかし電話に出た人の約半数、186人中94人は、疑うことなく応対するか、個人情報を確認しました。

偽の政府機関に高齢者644人はどう反応したか

2021年の実験で、架空の機関からの電話に対する反応。下の2行は、応じた人の内数。

電話に出ず、折り返しもしなかった68.5%
応じたが疑い、何も伝えなかった15.1%
疑うことなく応じた16.4%
個人情報を伝えた12%
社会保障番号の下4桁を伝えた5%

出典:Yu L ほか、JAMA Network Open 6(9):e2335319(2023)。平均年齢は約85歳。費用の一部はFINRA投資家教育財団が出し、その職員が研究の設計に関わった。

著者らは、電話をかけた担当者が強い圧力をかけなかったことや、機関の名前が架空だったことから、現実の割合はもっと高いと考えています。ただし対象者は大半が白人で、教育水準が高く、非常に高齢だったため、すべての人を代表しているわけではありません。詐欺への知識が最も乏しい人ほど、応じる割合が高くなっていました。

「安全な口座」、受け子、金の延べ棒

点描画:鉢植えのそばの玄関先に、ひもで結ばれた閉じた段ボール箱が置かれている。背後には静かな通りがやわらかくぼやけ、結び目の上に琥珀色の点が一つ。
受け子を使う手口では、玄関先で現金を求められる。

最も被害額の大きいなりすまし詐欺は今、大西洋の両側の規制当局がほとんど同じ言葉で説明する筋書きに沿っています。メッセージやポップアップ、電話で、銀行口座やパソコン、社会保障番号に不審な動きがあると警告されます。続いて銀行の不正対策チームや警察、政府機関の者だという2人目の「職員」が現れ、お金が危険なので守るために移す必要があると説明します。英国の銀行業界団体UK Financeは、犯人が被害者に、犯人の管理する「安全な口座」へ資金を移すよう指示する手口を説明しています。

米国ではFTCの調べで、こうしたなりすまし犯に1万ドル以上を失ったという高齢者からの報告が、2020年の1,790件から2024年の8,269件へと4倍以上に増えました。10万ドルを超える損失を受けた人の被害額の合計は、5,500万ドルから4億4,500万ドルへと8倍になりました。1万ドル以上の損失では、最初の接触は電話が最も多く、41%でした。

高齢者はなりすまし犯にどう支払ったか

企業・政府機関のなりすましによる1万ドル以上の損失の報告における支払い方法。60歳以上、2024年。

暗号資産33%
銀行振込20%
現金16%
金(消費者による記入)5%

出典:FTC Data Spotlight「False alarm, real scam」(2025年8月)。10万ドルを超える損失では銀行振込が最も多く32%。報告された事例のみ。

現金と金は、最も新しい変化です。被害者は預金を引き出し、ときには金を買い、自宅に来た受け子に渡すよう指示されます。FBIの2025年の報告書は、金の受け子詐欺について約725件の苦情と3億1,180万ドルの被害を数えており、1件あたり平均40万ドルを超えます。現金や金を手渡してしまえば、取り消せる支払いは残りません。

英国は銀行に負担させた

英国は、別の考え方を最も大きな規模で試しています。損失を銀行に負わせるのです。2024年10月7日から、Faster Payments と CHAPS を使う決済事業者は、だまされて自分で送金してしまう「承認済みプッシュ決済(APP)詐欺」の被害者に、1件あたり8万5,000ポンドまで返金しなければなりません。被害者が「消費者に求められる注意の基準」を満たしていなかった場合、事業者は返金を拒めます。

初期の数字は目を引きます。決済システム規制機関(PSR)によれば、2024年10月から2026年3月までに、事業者は返金対象の請求で失われた3億1,600万ポンドの88%を返金し、82%の請求を5営業日以内に処理しました。2026年7月に公表された Frontier Economics の独立評価は、Faster Payments を通じたAPP詐欺の被害が約21%、年に約7,300万ポンド減ったと推計しています。UK Finance の集計では、警察官や銀行員を装った詐欺の被害は2025年に5,550万ポンドで18%減りましたが、APP詐欺全体の被害は19%増えて5億7,640万ポンドでした。

英国の返金ルールで何が変わったか

2024年10月の返金義務化の前後の指標。対象外の経路はルールの適用を受けない。

指標前後出典
対象内のAPP詐欺被害の返金率(金額ベース)54%65%Frontier Economics
返金対象の請求の返金、2024年10月〜2026年3月–3億1,600万ポンドの88%PSRダッシュボード
警察官・銀行員なりすましの被害6,790万ポンド(2024)5,550万ポンド(2025)UK Finance
暗号資産交換所経由の詐欺(対象外)約5,900万ポンド(2023)1億5,300万ポンド(2025)評価報告(要約による)
海外へのAPP詐欺(対象外)2,100万ポンド(2023)6,000万ポンド(2025)評価報告(要約による)

出典:Frontier Economics(PSR委託、2026年7月)、PSR APP詐欺返金ダッシュボード(2026年7月30日)、UK Finance「Annual Fraud Report 2026」、Grant Thornton と Bratby Law による評価の要約(2026)。

返金は誰が負担するかを変えるだけで、お金を取り戻すわけではありません。評価報告は、決済事業者の追加費用を年に4,400万〜5,600万ポンドと推計し、結果にもばらつきが残っているとしました。ある事業者は金額ベースで4分の1を超える事例に注意基準の例外を適用し、まったく使わない事業者もありました。ルールの対象外の経路を通る詐欺は増え、評価者は海外送金については被害の移動もありうるとしましたが、増加を直接この政策のせいだとはしていません。見出しの返金率でさえ、何を数えるかで変わります。返金対象の請求の88%、対象内の被害額の65%、UK Finance の集計ではAPP詐欺被害全体の61%です。

韓国のボイスフィッシング被害

点描画:夜、広い川の向こうに並ぶマンションの棟。窓のほとんどは暗く、手前に低い橋がある。一つの窓だけに琥珀色の光が一つ。
電話は、いつでも、誰にでも届く。

韓国は、手口がうまくはまると被害がどれほど速く膨らむかを示しています。国会議員が分析した警察と金融監督院のデータによれば、ボイスフィッシングの被害額は2023年に4,472億ウォン、2024年に8,545億ウォン、2025年に1兆2,578億ウォンでした。2025年の1件あたりの平均被害額は5,384万ウォンです。

中心は国家機関のなりすましです。検察、警察、金融当局を名乗る電話が2025年の被害の78.6%、約9,884億ウォンを占めました。2026年1〜8月に確認された事例の91.3%は電話から始まっていました。韓国のボイスフィッシング用アプリ1,017個を調べた2022年の研究では、これらのアプリが被害者の発信をひそかに転送でき、銀行や警察にかけたつもりでも詐欺グループにつながってしまうことがわかりました。利用者テストでは、87%の参加者が切り替わりに気づきませんでした。

韓国:ボイスフィッシング被害額の推移

ボイスフィッシングの被害額と、2025年に国家機関を装った手口によるとされた分。

2023年₩447bn
2024年₩855bn
2025年₩1.26tn
2025年、検察・警察・金融当局を名乗る手口₩988bn

出典:警察庁と金融監督院のデータ。国会議員の分析を Seoul Times News(2026年9月29日)と inews24(2026年9月)が報道。

回収は進んでいません。2025年には102,307の不審な口座が凍結されましたが、被害者に返還されたのは被害額の約26%で、2021年の35.9%から下がりました。お金がすばやく暗号資産のウォレットに移されたり、何段階もの送金を経たりするためです。2025年8月、政府は、金融会社に過失がなくても一定の限度内で被害を補償させることを含む対策を発表し、法案は2025年12月に提出されました。その後成立したかどうかは確認できませんでした。金融委員会は、2025年11月の被害額が前年同月より35.0%少なかったと報告しています。

注意喚起は効くのか

注意喚起のキャンペーンは、なりすまし詐欺への最も一般的な対策であり、最も検証されていないものの一つです。犯罪学者 Tim Prenzler が2019年に現実の詐欺防止事業を調べたレビューでは、最善の科学的基準を満たしていたのは2件だけでした。2007年のオーストラリアの全国詐欺啓発月間の評価は、認知度と詐欺の報告件数を高めたと結論づけましたが、それは被害を減らすこととは同じではありません。

数少ない実験の結果はまちまちです。米国の野外実験では、過去に詐欺の被害にあった高齢者が、注意喚起を受けた2週間後または4週間後に、電話勧誘員から模擬の詐欺電話を受けました。同じ詐欺についての注意喚起も、別の詐欺についての注意喚起も、はっきり受け入れる人を減らしました。同じ詐欺についての注意喚起は断る人を増やしましたが、時間がたつと効果が薄れました。ケニアのオンライン実験では、電話詐欺の見分け方の一般的な助言は、詐欺と本物のメッセージを見分ける全体的な力を高めませんでした。詐欺を見抜く数は増えたものの、本物のメッセージを詐欺と取り違える数も増えたのです。

詐欺への注意喚起は行動を変えるか

4つの研究が測ったものと、その結果。

研究デザイン測った結果結果
Scheibe 2014野外実験、過去の被害者模擬の電話勧誘詐欺への反応注意喚起で受け入れが減少、同じ詐欺の注意喚起は時間とともに効果が低下
Kubilay 2023オンライン実験、ケニア詐欺と本物のメッセージの見分け助言で正確さは上がらず、慎重さが増した
DeLiema 2022調査、詐欺を報告した1,375人応答と金銭的被害その種類の詐欺を事前に知っていると被害を防ぐ方向
Prenzler 2019現実の事業のレビュー評価の質最善の基準を満たしたのは2件のみ

出典:Scheibe S ほか、Basic and Applied Social Psychology(2014)、doi:10.1080/01973533.2014.903844、Kubilay E ほか、Journal of Development Economics 165(2023)、DeLiema M、Li Y、Mottola GR、International Journal of Consumer Studies(2022)、doi:10.1111/ijcs.12886、Prenzler T(2019)、doi:10.1108/jcrpp-04-2019-0026。

詐欺を報告した北米の消費者1,375人の調査では、ある種類の詐欺について前もって知っていることが、ほぼすべての種類の詐欺で被害を防ぐ方向に働いていました。研究がまだ示せていないのは、ポスターや広告、メッセージによるキャンペーンが、警察を名乗る相手と電話でつながっておびえている人の行動を、その瞬間に変えられるかどうかです。

根拠から言えること

ほかより根拠のしっかりした点が3つあります。第一に、報告された数字は最低ラインです。詐欺の被害者で公的機関などに届け出るのは20人に1人もいません。第二に、なりすましは権威と恐怖と期限を重ねることで効き、唯一の直接的な実験では、高齢者の約6人に1人が架空の機関に疑うことなく応じました。第三に、お金は今、最も取り戻しにくい経路で出ていきます。本人が承認した振込、暗号資産ATM、現金、そして金です。

政策の見通しはまだ定まっていません。英国の返金ルールは、対象内の詐欺の損失の大半を被害者から銀行に移し、被害の減少と時期が重なりましたが、一部の詐欺はルールの対象外の経路に移ったようです。韓国も同様の転換を試みており、FTCは2026年9月、なりすまし規則を、詐欺広告を載せる検索エンジンやソーシャルメディアなどのプラットフォームにも広げるべきかについて意見募集を始めました。どの機関も繰り返すメッセージは単純です。FBIは、警察や政府機関が電話やメッセージで一般の人に支払いを求めることは決してないとしており、電話の相手が言う「安全な口座」は、UK Finance の言葉を借りれば、犯人が管理しているものです。

よくある質問

米国人はなりすまし詐欺でどれくらい失っていますか?

FTCによれば、2025年に報告されたなりすまし詐欺の被害は35億ドルを超えました。届け出る被害者が少ないため、実際の額はもっと大きくなります。

「安全な口座」詐欺とは何ですか?

銀行や警察、規制当局を名乗る人物が、あなたのお金が危険なので守るために新しい口座へ移す必要があると告げる手口です。その口座は犯人のものです。

だまされて送金した場合、銀行は返金してくれますか?

英国では、2024年10月以降に Faster Payments や CHAPS で送金した詐欺の被害者の多くは、例外はあるものの8万5,000ポンドまで補償されます。それ以外の国では、自分で承認した支払いの返金はずっと不確かです。韓国は、限度つきの無過失補償を提案しています。

政府機関が電話で支払いを求めることはありますか?

ありません。FBIは、警察や政府機関が電話やメッセージで一般の人にいかなる支払いも求めることは決してないとしています。

詐欺への注意喚起キャンペーンは効きますか?

根拠は乏しいのが現状です。ある実験では特定の詐欺についての注意喚起が模擬詐欺の受け入れを減らしましたが、別の実験では一般的な助言で見分ける正確さは上がりませんでした。

まとめ

  • 2025年、米国人がなりすまし詐欺で失ったと報告した額は35億ドルを超えました。偽の公務員に関するFBIへの苦情はほぼ倍増し、32,424件になりました。
  • 詐欺の被害を公的機関などに届け出る人は約4.8%にすぎません。FTCは2024年の実際の詐欺被害を、報告額125億ドルに対し313億〜1,959億ドルと推計しています。
  • 架空の政府機関から電話をかけた実験では、高齢者644人のうち16.4%が疑うことなく応じました。
  • 英国の返金ルールでは、請求のあった3億1,600万ポンドの88%が返金され、対象内の被害は約21%減りました。一方で、暗号資産交換所や海外を経由する詐欺は増えました。
  • 韓国のボイスフィッシング被害は2025年に1兆2,578億ウォンに達し、その78.6%は公務員を装った手口でした。注意喚起キャンペーンが厳密に検証されることはまれです。

この記事は、公表された研究、規制当局の報告、公的統計を一般的な情報として要約したもので、金融や法律に関する助言ではありません。なりすまし犯にお金や個人情報を渡してしまったかもしれない場合は、相手が伝えた番号ではなく、カードや明細書に書かれた番号ですぐに銀行に連絡し、警察または国の詐欺被害の相談窓口に届け出てください。

さらに読む:政府機関のなりすまし実験は Yu ほか、JAMA Network Open(2023)。届け出の少ない被害額の推計方法は、FTCの報告書「Protecting Older Consumers 2024–2025」。返金義務化の初めての本格的な評価は、Frontier Economics が2026年にPSRのためにまとめた評価報告。

おすすめの3冊
  • Influence, New and Expanded、Robert B. Cialdini(2021)。説得の古典の増補版で、なりすまし犯が利用する権威や希少性の力も扱います。手口がなぜ効くのかを知るのに役立ちますが、主に扱うのはマーケティングで、犯罪ではありません。
  • The Psychology of Fraud, Persuasion and Scam Techniques、Martina Dove(2020)。詐欺研究者が、人がなぜだまされるのか、標準的な予防の助言がなぜ効かないことが多いのかを説明します。研究の整理は明快ですが、実用的なチェックリストは分析ほど検証されていません。
  • Fool Me Once、Kelly Richmond Pope(2023)。法廷会計士が、被害者、内部告発者、詐欺師の話を集めた本。詐欺が内側からどう感じられるかを生き生きと描きますが、統計ではなく事例の集まりです。

参考文献

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