詐欺師に送金してしまったら:やるべきことを順番に

執筆 Seung Hyoun Kim · 2026年10月15日 確認 · 行動ガイド一覧

2025年、米国人がなりすまし詐欺で失ったと届け出た額は35億ドルを超える。実際の被害はもっと大きい。詐欺被害者のうち公的機関に届け出るのは20人に1人もいないからだ。まだできることの多くは、どれだけ早く動くか、そして二度目を払わないかで決まる。2026年9月、ABC7は「被害回復」をうたう詐欺を報じた。最近の被害者の名簿を買い、法律事務所や公的機関、ときにはFTCを名乗って、手数料と引き換えにお金を取り戻すと持ちかける手口だ(ABC7、2026年9月8日)。

このページは、分析記事「公的機関・銀行のなりすまし詐欺:研究データでわかったこと」の実践編である。

各手順に、根拠の強さを示すラベルを付けた。データあり 結果のデータがある/公的機関の推奨 公的機関が勧めているが効果の測定は少ない/未検証 常識的だが研究は見つからなかった。ラベルに触れると定義が出る。

最初の1時間:お金を止める

最初にどこへ電話するかは、支払い方法で決まる。米連邦取引委員会(FTC)が方法ごとの連絡先をまとめている。考え方はどの国でも同じだ。

支払い方法最初の連絡先頼むこと
銀行振込(Zelle、Faster Payments、銀行からの送金)自分の銀行支払いの停止か取り消し。詐欺だったと伝える
クレジットカード・デビットカードカード裏面の番号不正を届け出て返金を求める
決済アプリ(PayPal、Venmo、Cash App など)アプリの運営会社(アプリ内から)支払いを報告し、取り消しを求める
送金サービス会社(Western Union、MoneyGram)その会社だまされたと伝え、返金を求める
ギフトカードカードの発行会社(カードに書かれた番号)カード番号を詐欺師に伝えてしまったと言う。カードとレシートは捨てない
暗号資産取引所または暗号資産ATMの運営会社不正な取引として報告し、取り消しを求める

出典:FTC, What To Do if You Were Scammed。暗号資産の支払いには、カードのような法的な保護がない。そのため取り戻すのは難しいが、それでも届け出る。

  1. 払うのをやめる。「あと1回払えば残りが戻る」と言われても。 公的機関の推奨 詐欺師は、こちらが止めるまで要求を続ける。Scamwatch
  2. 銀行には、自分で知っている番号で電話する。相手が教えた番号は使わない。 公的機関の推奨 カードや明細書に書かれた番号を使う。FTC
  3. パスワードや確認コードを教えた、またはパソコンの遠隔操作を許した場合は、別の端末からパスワードを変える。 未検証 メールと銀行から始め、ほかの端末のログインはすべて解除する。
点描のイラスト:暗い壁に開いた、格子で区切られた明るい窓口。
かけるのは、もともと知っている番号に。

最初の1日:届け出て、記録を残す

  1. 住んでいる国の窓口に届け出る。 公的機関の推奨 日本:最寄りの警察署、または警察相談専用電話 #9110。米国:ReportFraud.ftc.gov。社会保障番号などの個人情報が使われた場合は IdentityTheft.gov にも。英国:Report Fraud(2025年12月4日に Action Fraud から切り替わった)。オーストラリア:Scamwatch と警察のオンライン届出。警察庁 · GOV.UK · Scamwatch
  2. すべて残しておく。 公的機関の推奨 メッセージの画面写真、かかってきた電話番号、振り込んだ口座、レシート、日付と時刻。やり取りは消さない。
  3. 信頼できる人に話す。 データあり 米国の金融詐欺被害者の調査では、家族に話したことが、再び被害に遭うリスクの低さと関連していた(Snyder & Golladay, 2023)。
  4. オーストラリアでは IDCARE(1800 595 160)に電話すると、被害を抑えるための計画を無料で立ててくれる。 公的機関の推奨 Scamwatch

その後の数週間:二度目の詐欺

一度だまされると、二度目に狙われる可能性は下がるどころか上がる。約20年分にわたる4つの郵便詐欺組織から押収された記録では、被害者の62%が2回以上勧誘に応じていた。20回を超えて応じた8.8%の人は、平均1,771ドルを失っていた(Langton et al., 2024)。

  1. お金を取り戻すという申し出は、すべて詐欺と考える。 公的機関の推奨 本当の回復は、自分で調べた番号で連絡した銀行、警察、国の届出窓口を通じて行われる。回復のための前払い手数料は決して払わない。日本の消費者庁も、投資トラブルの被害者に返金を持ちかける二次被害に注意を呼びかけている。返金の条件として別の投資を求める、国の救済制度だと称する、返金手続きを代行すると持ちかける、といった手口だ。きっぱり断り、消費者ホットライン188(いやや!)に相談するよう勧めている。188は地元の消費生活センターにつながる。消費者庁 · Scamwatch · ABC7
  2. 銀行には、補償について書面で問い合わせる。 公的機関の推奨 英国では、2024年10月以降に Faster Payments や CHAPS で支払った詐欺被害の多くが、8万5,000ポンドまで補償される(例外あり)。ほかの国では、自分で承認した支払いの返金はずっと不確かだが、それでも聞いてみる。
  3. 損失で借金を抱えたら、無料の債務相談や家計相談の窓口に相談する。 公的機関の推奨 オーストラリアでは、Scamwatch が心のケアの窓口として Lifeline(13 11 14)と Beyond Blue(1300 22 4636)も案内している。Scamwatch
点描のイラスト:淡い壁の前、歩道に立つ円筒形の郵便ポスト。
届く知らせが、名乗るとおりとは限らない。

やってはいけないこと

  1. お金を取り戻すための「解除手数料」「税金」「ロック解除料」は払わない。 公的機関の推奨 同じ詐欺の続きである。
  2. 「安全な口座」にお金を移さない。 公的機関の推奨 その口座は犯人のものだ。銀行も警察も規制当局も、そんなことは頼まない。
  3. 確信が持てるまで待たない。 未検証 届け出て結局勘違いだったとしても、失うものはない。1日たった支払いは、止めるのがずっと難しくなる。

チェックリスト

  • 支払いと連絡をすべて止めた
  • 銀行やカード会社に、もともと知っている番号で電話した
  • 使った場合は、決済アプリ、送金サービス会社、ギフトカード発行会社、暗号資産取引所に連絡した
  • 別の端末から、メールと銀行のパスワードを変えた
  • 警察(#9110)や消費者ホットライン188、または ReportFraud.ftc.gov、Report Fraud、Scamwatch に届け出た
  • 画面写真、電話番号、口座情報、レシートを保存した
  • 信頼できる人に話した
  • お金を取り戻すと申し出る相手には、誰であれ払わないといま決めた

住んでいる国別の窓口

日本米国英国オーストラリア
詐欺を届け出る最寄りの警察署・#9110、消費者ホットライン188ReportFraud.ftc.govReport Fraud、0300 123 2040Scamwatch と警察のオンライン届出
個人情報の悪用金融機関と警察IdentityTheft.gov自分の銀行と Report FraudIDCARE、1800 595 160
自分で承認した支払いの返金ルール(このページでは扱わない)限定的。支払い方法による2024年10月以降の Faster Payments・CHAPS による詐欺被害の多くに、8万5,000ポンドまでの補償制度限定的。銀行の対応に不満があれば AFCA に申し立てる
命の危険がある場合119(救急)911999000

根拠はどのくらい確かか

このページの手順は、ほぼすべてが公的機関の推奨で、効果を測ったものではない。1時間以内に銀行へ電話した場合と翌日の場合を比べた試験は誰もしていない。私たちの分析でも、詐欺への注意喚起キャンペーンすら、きちんと検証されることはまれだった。測られているのは推奨のまわりの状況だ。届け出る被害者がどれほど少ないか、どれほど繰り返し狙われるか、繰り返し被害に遭う人がどれだけ失うか。

繰り返し被害の数字には限界がある。62%という数字は郵便詐欺のもので、データは犯人から押収したものだ。だから、払った人はわかっても、勧誘されて断った人はわからない(Langton et al., 2024)。家族に話したことの効果は調査で見られた関連であって、誰かに話せば身を守れるという証明ではない(Snyder & Golladay, 2023)。それでも両方を載せるのは、公的機関の推奨と同じ方向を指しており、従う負担も小さいからだ。

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このガイドは一般的な情報であり、法律や金融に関する助言ではない。返金や届け出のルールは国によって異なり、時とともに変わる。あなたのケースについて最終的に判断するのは、銀行と国の届出窓口である。

出典