インドの慢性疾患:死因の多くは非感染性疾患に

ハウラーで男性の血圧を測る保健ワーカー
資料写真:西ベンガル州ハウラーでの血圧測定。 写真:Biswarup Ganguly(Wikimedia Commons、CC BY 3.0)
負担が増加更新 2026年10月18日

トレンドの要約

  • 標本登録制度(SRS)によると、2021〜23年のインドでは死亡全体の56.7%が非感染性疾患(NCD)によるものでした。心血管疾患だけで31%近くを占めます。
  • インド医学研究評議会(ICMR)の州別疾病負担推計では、死亡に占めるNCDの割合は1990年の37.9%から2016年には61.8%に上がりました。感染症や妊産婦関連の死因が占める割合は、着実に小さくなっています。
  • ICMR-INDIAB調査(2023年)では、成人の11.4%が糖尿病、15.3%が糖尿病予備群、35.5%が高血圧でした。政府はこれを、糖尿病の人が約1億100万人いると換算しています。
  • がんの新規症例の推計は、2020年の139万件から2024年には153万件に増えました。政府の検診プログラムは、2026年2月までに4億人を超える成人の血圧を測っています。
56.7%死亡に占めるNCDの割合(2021〜23年)
30.9%心血管疾患による死亡の割合(2021〜23年)
1億100万人糖尿病の人の数(ICMR-INDIAB、2023年)
153万件がんの新規症例の推計(2024年)

数字で見る現状

インドの死因はここ数十年で大きく変わりました。ICMRの「インド州別疾病負担イニシアチブ」によると、非感染性疾患(NCD)は死亡全体の37.9%(1990年)から61.8%(2016年)に増えました(PIB、2022年2月)。同じ期間に、健康損失全体(DALY)に占める割合は30%から55%になり、最大の原因は虚血性心疾患、2番目は慢性閉塞性肺疾患(COPD)でした(ICMR、2017年11月)。世界保健機関(WHO)の2018年の国別プロファイルは、2016年のインドの死者957万人のうち63%をNCDとしています。内訳は心血管疾患27%、慢性呼吸器疾患11%、がん9%、糖尿病3%です。30〜70歳のあいだに主な4つのNCDのいずれかで亡くなるリスクは23%とされましたが、WHO自身がこれらの推計は不確実性が大きいと注記しています(WHO)。

現在の姿を示すのは、インド登録総局(ORGI)の標本登録制度です。全国を代表する標本世帯の死亡を記録する仕組みで、2025年9月に公表された2021〜23年の死因報告では、死亡の56.7%がNCDによるものでした。心血管疾患が約30.9%、がんが6.4%、慢性呼吸器疾患が5.7%、糖尿病が3.5%です(ORGI、The Hitavada)。脳卒中による死者は2019年に推計699,000人で、死亡全体の7.4%にあたります(ICMR、2021年)。

がんは着実に増えています。ICMRの全国がん登録プログラムは、新規症例を2020年に1,392,179件(約139万件)、2022年に1,461,427件と推計し、推計死者数は770,230人から808,558人に増えました(PIB、2023年7月)。2024年の推計は1,533,055件(下院(Lok Sabha)、2024年7月)、2025年は1,569,793件です。2024年に最も多かったがんは、男性では肺がん(79,279件)、女性では乳がん(227,152件)でした(下院、2025年3月)。

背景にあるもの

最大の原動力は代謝リスクです。2008〜2020年に全州で成人113,043人を調べたICMR-INDIAB研究では、糖尿病が11.4%、糖尿病予備群が15.3%、高血圧が35.5%、全身性肥満が28.6%、腹部肥満が39.5%でした(Lancet Diabetes & Endocrinology、2023年)。政府によると、糖尿病の人は1億100万人を超え、さらに1億3,600万人が予備群です(PIB、2024年12月)。寿命も延びました。平均寿命は1960年の約40歳から約70歳に上がり、こうした病気が起きやすい年齢まで生きる人が増えています(PIB、2017年)。

たばこも依然として大きな要因です。2020年のがん負担推計のうち、たばこ関連のがんが27.1%を占めました(ICMR、2020年)。政府は、たばこで年に130万人以上が亡くなっているとしています(PIB、2026年6月)。増加の一部は、数え方が良くなったためでもあります。がん登録の拡大や大規模な検診で、以前は記録されなかった症例が見つかるようになりました(PIB、2020年9月)。負担には偏りがあります。心疾患、脳卒中、糖尿病、COPDの率は州によって4〜9倍の差があり(PIB、2017年)、北東部はがんの負担が大きく、アイザウルでは男性の罹患率が人口10万人あたり269.4に達しています(ICMR-NCDIR、2021年)。

最近の事例

  • 2026年6月6日:インドの保健分野の実績をまとめた政府の発表は、心疾患、糖尿病、がん、脳卒中などのNCDが現在、死亡全体の60%を占めると述べました。2017年以降、4億1,500万人が高血圧の検診を受けたとしています(PIB)。
  • 2026年3月23日:保健・家族福祉省は議会で、NCDプログラムが2026年2月までに約4億900万人の成人に高血圧の検診を行って7,010万人を見つけ、4億700万人に糖尿病の検診を行って4,680万人を見つけたと答弁しました(PIB)。
  • 2025年9月3日:インド登録総局が標本登録制度の2021〜23年の死因報告を公表しました。死亡の56.7%がNCD、31%近くが心血管疾患によるものでした(ORGI、The Hitavada)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、1年に最大5件、新しい順に載せています。多くはインド政府の各省が報道情報局(PIB)を通じて出した発表や、国家犯罪記録局(NCRB)、インド準備銀行(RBI)、国立地震センター(NCS)などの全国機関、州政府の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り、報道やデータ分析の記事も含めています。タイトルは原文(英語)のままです。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

インドの慢性疾患に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の47件、1年最大5件、新しい順

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2010

2009

2008

2007

5件に満たない年が多く、まだ1件もない年もあります。インド政府の古い発表は元のアドレスで見つけにくく、実際に開いて確認できたものだけを載せているためです。リストは今後も追加していきます。ページに日付がない場合は、発表のアドレスや発行元の一覧にある日付を使っています。

写真リスト

ハウラー県アムラゴリのプライマリ・ヘルスセンターの建物
資料写真:ハウラー県アムラゴリのプライマリ・ヘルスセンター。 写真:Biswarup Ganguly(Wikimedia Commons、CC BY 3.0)
ニューデリーの全インド医科大学の定礎石
資料写真:ニューデリーの全インド医科大学(AIIMS)の定礎石。 写真:Hellfire20(Wikimedia Commons、パブリックドメイン)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。速報値・暫定値は後で改訂されるため、そう明記しています。インドの統計の多くは州ごとに集計され、1〜2年遅れて公表されるため(NCRBの2024年の事故統計は2026年に公表)、それぞれの数値が何年のものかを書いています。大きな数は国際的な表記で示し、インドの資料がラーク(10万)やクロール(1000万)を使う場合は括弧で添えています。写真はパブリックドメインまたはクリエイティブ・コモンズの画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書かない限り本文の出来事の写真ではありません。このページは傾向をまとめたもので、個別の安全・医療・法律・金融の助言ではありません。