英国の慢性疾患の動向:長生きにはなったが、不健康な年月が増える

東ロンドンにある青いガラス張りの近代的な病院の高層棟
資料写真:ホワイトチャペルのロイヤル・ロンドン病院。写真:Reading Tom(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)
長生き、だが不健康な年月が増加2026年10月4日更新

トレンドの要約

  • 英国の死亡率は記録上最も低くなりましたが、人生のうち健康でない期間は長くなっています。
  • イングランドとウェールズの年齢標準化死亡率は、2025年に人口10万人あたり約913まで下がり、1994年に記録が始まって以来最低でした。
  • 認知症とアルツハイマー病が引き続き死因の第1位で、死者は72,272人(12.7%)でした。初めて1位になったのは2015年です。
  • 健康寿命は2022〜24年に男性60.7年、女性60.9年と記録上最も短くなりました。肥満と糖尿病は増え続けています。
72,272人認知症による死者、イングランドとウェールズ、2025年:死因第1位
60.7年 / 60.9年英国の健康寿命、男性 / 女性、2022〜24年
30%肥満の成人の割合、イングランド、2024年
460万人糖尿病と診断された英国の人

数字が示すこと

ONSの死亡登録(英語)によると、2025年のイングランドとウェールズの死者は570,988人で2024年より0.4%増えましたが、年齢標準化死亡率はこれまでで最も低くなりました。2022〜24年の英国の平均寿命は男性79.1年、女性83.0年(英語)です。健康に過ごせる年数である健康寿命は、2011〜13年に記録が始まって以来最も短くなりました(英語)。

病気別では、英国のがんの死亡率(英語)は人口10万人あたり約250と過去最低になり、心臓・循環器の病気による死者は2024年に169,205人でした(英国心臓財団BHF、英語)。イングランドでは2024年に成人の30%が肥満(英語)で、1993年の2倍です。英国で糖尿病と診断された人は460万人(英語)にのぼります。

背景にあるもの

2011年以降に平均寿命の伸びが鈍ったおもな理由は心臓病です。査読付きの「世界の疾病負担(GBD)」研究の分析(The Lancet Public Health)によると、血圧やコレステロールの治療が良くなっても、肥満、偏った食事、運動不足の影響を打ち消せていません(イースト・アングリア大学の要約、英語)。がんの死亡率は、喫煙の減少、国の検診、HPVワクチン、治療の進歩によって下がり続けています。そして、若くして心臓病で亡くなる人が減るほど、認知症を抱えて亡くなるまで長生きする人が増えます。

最近の事例

  • 2026年2月4日:政府がイングランドの「国家がん計画」を発表し、2035年までに診断された人の4人に3人が5年以上生存することを目指すとしました(GOV.UK、英語)。
  • 2025年7月3日:イングランドの「10年保健計画」が、病気の治療から予防への転換を打ち出しました(GOV.UK、英語)。
  • 2025年5月19日:英国心臓財団が、心臓の健康にとってこの50年で最悪の10年の始まりだと警告しました。働く世代の心血管疾患による死者は2019〜2023年に18%増えています(BHF、英語)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、1年に5件ずつ、新しい順に載せています。多くは英国政府の省庁、規制機関、事故調査機関、国の統計機関の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り報道も含めています。タイトルは原文(英語)のままです。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

英国の慢性疾患に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の80件、1年5件、新しい順

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

写真リスト

腕に家庭用の血圧計を巻いて血圧を確かめる人
資料写真:家庭での血圧測定。写真:Beendy234(Wikimedia Commons、CC0)
ロンドンの川沿いに建つセント・トーマス病院の建物
資料写真:ロンドンのセント・トーマス病院。写真:Soham Banerjee(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。暫定値は後で改訂されるため、そう明記しています。英国の統計はイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドで別々に公表されることが多いため、それぞれの数値がどの地域のものかを書いています。写真はパブリックドメイン、クリエイティブ・コモンズ、または英国政府のオープン・ガバメント・ライセンス(OGL)の画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書いていない限り、記事中の出来事を写したものではありません。このページは動向をまとめたもので、個人の安全・医療・法律・金融に関する助言ではありません。