英国の住宅火災:死者は減少、新たなバッテリーのリスク

ウェールズのニューポートで、煙が立ちこめる住宅火災の現場にいる消防士と消防車
資料写真:ウェールズ、ニューポートのロイヤル・エクスチェンジ・ロードで住宅火災の消火にあたる消防士。写真:Editor5807(Wikimedia Commons、CC BY 3.0)
死者は減少、バッテリー火災は増加2026年10月4日更新

トレンドの要約

  • 英国の住宅火災は10年前よりずっと少なく、亡くなる人も減っています。いま心配なのは、昔ながらの火災が増えることではなく、新しい種類の火災です。
  • イングランドで消防が出動した住宅火災は、2026年3月までの1年間で26,180件。前年より2.8%増えましたが、10年前より17%少ない水準です。
  • これらの火災で184人が亡くなり、214人から14%減りました。それでも住宅火災は、火災による死者全体の約7割を占めています。
  • 最も速く増えている原因は、電動自転車や電動キックボードのリチウムイオン電池です。ロンドン消防局が2025年に出動したこうした火災は、過去最多の206件でした。
26,180件住宅火災、イングランド、2026年3月までの1年間
184人住宅火災の死者、イングランド(−14%)
27%失火による住宅火災の死者のうち、喫煙具が原因の割合
206件ロンドンの電動自転車・キックボード火災、2025年(過去最多)

数字が示すこと

イングランドの火災統計は、2025年に内務省から住宅・コミュニティ・地方自治省(MHCLG)に移りました。同省の2026年3月までの1年間の年次分析(英語)では、住宅火災26,180件、死者184人、死者以外の負傷者4,898人(3.9%増)です。火災全体の死者は254人で、前年より9.3%、10年前より17%少なくなっています。

スコットランドも同じ傾向です。スコットランド消防救助局(英語)が記録した2024-25年度の失火による住宅火災は4,104件で過去最少、2014-15年度より26%少なく、火災関連の死者は36人でした。

背景にあるもの

最も多い原因は調理、最も命にかかわる原因は喫煙です。イングランドでは、失火による住宅火災の42%が調理器具から起きましたが、死者に占める割合は11%でした。喫煙具から起きた火災はわずか7.6%なのに、死者の27%を占めています。煙感知器は普及していますが、頼りきれません。住宅火災の42%で、感知器がなかった(23%)か、作動しなかった(19%)のです。年齢も関係します。火災の死者の40%は65歳以上でした。

新しい要因はバッテリーです。製品安全基準局(OPSS)には2024年に211件の電動自転車・キックボード火災(英語)が報告され、死者8人、負傷者86人でした。約3分の2が住宅内で、39%が充電中に起きています。OPSS(英語)は、基準に合わないバッテリー、合わない充電器、自作の改造キットを問題に挙げており、電動自転車火災の45%にこれらが関わっていました。

最近の事例

  • 2026年8月19日:MHCLGが、2026年3月までの1年間にイングランドの住宅火災の件数は2.8%増えたものの、死者は14%減の184人だったと発表しました(MHCLG、英語)。
  • 2026年1月28日:ロンドン消防局が、2025年の電動自転車・キックボード火災は過去最多の206件で、ほぼ2日に1件だったと発表し、新たな製品規制を求めました(LFB、英語)。
  • 2025年7月21日:政府が、電動自転車・キックボードの火災が1.7日に1件起きていることを挙げ、危険な製品を売るオンラインマーケットに新たな義務を課すと発表しました(GOV.UK、英語)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、1年に5件ずつ、新しい順に載せています。多くは英国政府の省庁、規制機関、事故調査機関、国の統計機関の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り報道も含めています。タイトルは原文(英語)のままです。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

英国の住宅火災に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の65件、1年に最大5件、新しい順

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

初期の年には5件に満たないところがあります。当時の英国政府の発表の多くは元のアドレスで公開されておらず、実際に開いて確認できたものだけを載せているためです。

写真リスト

天井に付いた丸い白い煙感知器
資料写真:天井に取り付けた煙感知器。写真:Georg Pik(Wikimedia Commons、パブリックドメイン)
村の通りに止まるノース・ヨークシャー消防救助局の赤い消防車
資料写真:エイスキューに止まるノース・ヨークシャー消防救助局の消防車。写真:The joy of all things(Wikimedia Commons、CC0)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。暫定値は後で改訂されるため、そう明記しています。英国の統計はイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドで別々に公表されることが多いため、それぞれの数値がどの地域のものかを書いています。写真はパブリックドメイン、クリエイティブ・コモンズ、または英国政府のオープン・ガバメント・ライセンス(OGL)の画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書いていない限り、記事中の出来事を写したものではありません。このページは動向をまとめたもので、個人の安全・医療・法律・金融に関する助言ではありません。