英国の詐欺被害:詐欺による損失は増え続ける

橋のそばに止まるロンドン市警察のパトカー
資料写真:ロンドン市警察のパトカー。同警察は全国の詐欺捜査を主導し、詐欺の届け出窓口「Report Fraud」を運営しています。写真:Dun.can(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)
詐欺の被害額は増加2026年10月4日更新

トレンドの要約

  • イングランドとウェールズの成人が被害にあう犯罪で最も多いのは詐欺で、詐欺で失われるお金はまだ増えています。
  • 犯罪調査(Crime Survey)の推計では、2026年3月までの1年間の詐欺は450万件で、420万件から増え、2016-17年度より32%多くなっています。
  • 英国金融業協会(UK Finance)の会員が報告した2025年の被害額は12.8億ポンドで4%増。被害者自身にお金を送らせる詐欺の被害は19%増の5.76億ポンドでした。
  • 投資詐欺の被害は40%急増しました。明るい面では、新しい返金ルールのもとで、送金させる詐欺の被害額の61%が被害者に返されています。
450万件詐欺の件数、イングランドとウェールズ、2026年3月までの1年間
12.8億ポンド決済詐欺で盗まれた額、英国、2025年(+4%)
+19%送金させる詐欺の被害額、2025年(5.764億ポンド)
+32%詐欺の件数、2016-17年度比

数字が示すこと

英国の詐欺は2つの資料でわかります。イングランド・ウェールズ犯罪調査(英語)は世帯に直接たずねるため、届け出されない詐欺も拾えます。2026年3月までの1年間の推計は450万件です。国家統計局(ONS)は420万件からの増加は統計的に有意ではないとしていますが、銀行・クレジット口座の詐欺だけで15%増の約280万件でした。英国金融業協会(英語)は銀行が把握した分を数えています。2025年に盗まれたのは12.8億ポンドで、そのうち5.764億ポンドが被害者に送金させる「承認済みプッシュ型決済(APP)詐欺」、7.034億ポンドが主にカードの不正利用です。

内務省(英語)は、詐欺が経済に与える損失を年約140億ポンドとし、成人の14人に1人、企業の4社に1社が被害にあったとしています。

背景にあるもの

詐欺はオンラインと電話に移りました。2025年のAPP詐欺の66%はオンラインで、17%は電話やSMSで始まっています。英国金融業協会は、犯罪者がAIを使って産業規模で詐欺を行っていると指摘しています。政府によると、英国の市民を狙う詐欺の3分の2以上が海外から(英語)で、多くは東南アジアの詐欺拠点からです。取り締まりは追いついていません。会計検査院(NAO)(英語)は、2022年に個人に対する犯罪の41%が詐欺だった一方、起訴は減っていたと指摘しました。

最近の事例

  • 2026年6月15日:英国金融業協会が、2025年の被害額は12.8億ポンドで、投資詐欺の被害は40%増えたと発表しました(UK Finance、英語)。
  • 2026年3月9日:内務省が「詐欺対策戦略2026〜2029」を発表。2.5億ポンドを投じ、詐欺に使われる口座、サイト、電話番号を止める「オンライン犯罪センター」を新設します(GOV.UK、英語)。
  • 2025年12月4日:イングランド、ウェールズ、北アイルランドで、新しい届け出窓口「Report Fraud」が「Action Fraud」に代わりました(ロンドン市警察、英語)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、1年に5件ずつ、新しい順に載せています。多くは英国政府の省庁、規制機関、事故調査機関、国の統計機関の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り報道も含めています。タイトルは原文(英語)のままです。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

英国の詐欺被害に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の80件、1年5件、新しい順

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

写真リスト

非接触決済の表示が出た携帯型のカード決済端末
資料写真:カード決済端末。写真:Daylon124(Wikimedia Commons、CC0)
夜にライトアップされたイングランド銀行の建物
資料写真:夜のロンドン、イングランド銀行。写真:Mark Hillary(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。暫定値は後で改訂されるため、そう明記しています。英国の統計はイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドで別々に公表されることが多いため、それぞれの数値がどの地域のものかを書いています。写真はパブリックドメイン、クリエイティブ・コモンズ、または英国政府のオープン・ガバメント・ライセンス(OGL)の画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書いていない限り、記事中の出来事を写したものではありません。このページは動向をまとめたもので、個人の安全・医療・法律・金融に関する助言ではありません。