屋内のある地点から発信した緊急通報の9割がつながらなかった。同じ場所の普通の通話は6秒で接続
この記事のポイント ・約13分で読めます
- 欧州の重大な通信障害の5件に4件は、ネットワーク自体の故障か、誰かの設定ミスによるものです。意図的な攻撃は2024年で8%でした。
- 最初の通年報告となった2012年には、報告された79件のうち約40%が、巻き添えで緊急番号112を使えなくしていました。
- 2024年2月の米国の大規模障害は、1台の機器に入れたレビューなしの設定1つが原因でした。3分で1億2,500万台の端末が切断され、切り戻しに2時間、完全復旧には12時間かかりました。
- その夜、2万5,000件以上の911通報が失敗しました。ただし成功した件数は公表されておらず、失敗率はわかっていません。
ある大学キャンパスの屋内の一地点で、研究者が普通の番号に電話をかけると、通話はWi-Fi経由で平均5.85秒でつながりました。次に、同じ場所から、同じ端末・同じネットワークで緊急番号にかけてみました。すると、その9割は2分たっても指令員につながっていませんでした。2分というのは、実験者が待つのをやめた時点です。
どこも壊れてはいませんでした。Wi-Fiの電波は強く、端末は通信事業者の認証を受けたもので、ソフトウェアは国際標準のとおりに動いていました。その標準には「緊急通報はWi-Fiよりモバイル網を優先すること」と定められています。モバイル網なら帯域を保証でき、混雑時に緊急通報を優先できるからです。理にかなったルールです。しかし、電波が1本しか立たずWi-Fiは良好という建物の中では、これこそが通報がつながらない原因になります。
この記事では、電話網が実際にはどのように止まるのか、そして止まったときに何から先に機能しなくなるのかを見ていきます。多くの人が思い浮かべるのは、嵐で倒れた鉄塔や外国の情報機関による攻撃でしょう。しかし実態はほとんどそうではありません。欧州の統計では、意図的な攻撃は重大インシデントの8%にすぎません。残りは機器の故障、ソフトウェアの不具合、そして深夜2時に誰かが打ち間違えた設定です。
ネットワークを止めている本当の原因
欧州の28か国は、重大な通信障害を共通の登録簿に報告しており、その集計は毎年公表されています。2024年の登録件数は188件でした。このうち、事業者自身の設備で起きたハードウェア・ソフトウェアの障害である「システム障害」が113件(60%)です。「人為的ミス」が35件(19%)、嵐や洪水を含む「自然現象」が25件(13%)、「悪意ある行為」が15件(8%)でした。
欧州の重大な通信障害の原因(2024年)
ENISA(欧州連合サイバーセキュリティ機関)、Telecom Security Incidents 2024。EU加盟26か国とEFTA加盟2か国から報告された188件。
60と19を足すと79。5件に4件は、ネットワークが自ら壊れたか、誰かがうっかり壊したものです。この比率は10年以上にわたっておおむね変わっていません。そしてこれが、このテーマで最も役に立つ事実です。世間の関心が向かう先とは正反対だからです。
同じ登録簿は、最初の通年となった2012年に、その後これほど明確には公表されていないデータを記録しています。2012年に報告された79件のうち、約40%が112番への発信に影響していたのです。緊急通報サービスの障害の40%ではありません。普通の障害の40%が、巻き添えで緊急番号まで使えなくしていました。緊急通報も、ほかのすべての通信と同じ設備の上を流れているからです。
機器1台、3分、12時間
2024年2月22日の午前2時42分、米国の大手通信事業者の従業員が、定期保守の一環として、ネットワーク機器1台に設定を読み込ませました。規制当局のその後の報告書は、何が問題だったかを率直に書いています。その設定は「ピアレビューを必須とするAT&Tのネットワーク機器の設計・導入手順に従っていなかった」。誰もチェックしていなかったのです。
3分後、ネットワークは不整合を検知し、設計どおりの動作をしました。データの破損を広げるより、保護モードに入って接続を切るという動作です。その結果、全50州、ワシントンD.C.、プエルトリコ、米領バージン諸島で、登録済みの1億2,500万台を超える端末が切断されました。
技術者たちは午前4時45分ごろまでに問題の機器を切り戻しました。2時間です。しかし障害は4時45分には終わりませんでした。終わったのはその日の午後0時30分ごろです。保護モードが解除されると、1億2,500万台の端末が一斉に再登録を試み、登録システムが規制当局の表現でいう「大量のリクエストで処理しきれなくなった」からです。故障の修正に2時間、その修正からの回復にさらに8時間かかりました。
2024年2月22日の夜:時系列
FCC、February 22, 2024 AT&T Mobility Network Outage: Report and Findings、2024年7月。
ここで押さえておきたい点が2つあります。1つは、保護モードは故障ではなく、安全機能が正しく働いた結果だということです。壊れた設定のまま動き続けるネットワークは、止まるネットワークよりも大きな被害を出します。もう1つは、復旧に修理の4倍の時間がかかり、その遅れの原因がネットワーク自身の利用者だったことです。これは実験室では試せません。1億2,500万台の端末を借りてくることはできないからです。
失敗した2万5,000件と、誰も公表しない数字
その夜の見出しになった数字は、9,200万件を超える音声通話がブロックされ、2万5,000件を超える911通報が失敗したというものです。どちらも規制当局の数字で、どちらも大きな数です。しかし、どちらも「率」には換算できません。報告書には、同じ時間帯に成功した911通報の件数が書かれていないからです。
入手できる最良の全国集計では、2021年の米国の911通報は約2億1,370万件(45州の報告)で、その約89%が携帯電話からでした。均等にならすと、全事業者を合わせて全米で1時間あたり約2万4,000件、12時間で約29万件です。1社のシェアはその一部にすぎず、しかも今回の障害で最も深刻だったのは午前2時から5時、夜間で最も通報が少ない時間帯でした。誠実に計算すれば、2万5,000件の失敗は、その事業者の利用者が試みたであろう通報のかなりの割合にあたります。不誠実に計算すれば、どんな結論でも導けてしまいます。
分子はあっても分母がない
FCC報告書(2024年7月)、National 911 Program、2021 National 911 Profile Database Report(2億1,370万件、45州が報告。5州は不明、6州は未提出)。
この全国集計にも注意書きがついています。5州は合計を「不明」とし、6州は何も提出していません。報告書自体も、911通報の総数の把握には「推計を含む可能性のある多くの機関からの情報が必要」と述べています。分母は、存在する場合でさえあいまいなのです。失敗の件数は実在する具体的な数字ですが、失敗率はわかっておらず、データを持つ側は誰もそれを公表していません。
電波が満タンでもつながらない通報
大規模障害の話は劇的です。それよりも地味な発見は、ネットワークが完璧に動いているときにも緊急通報は失敗するということ、そして研究者がそれを実際に測定したということです。
2024年のある研究では、モバイル通信規格のうち緊急通報に特有の部分を検証するモデル検査ツールを作り、仕様書に対して実行しました。そのうえで、ツールが予測した失敗を現場で確かめています。見つかった設計上の欠陥は11件で、そのうち9件が実際のネットワークで確認されました。検証に使われたのは、米国の通信事業者3社、台湾の事業者2社、キャンパスのWi-Fi、そして事業者認証済みの端末4機種です。
最もわかりやすいのが、冒頭で紹介したものです。規格は緊急通報にモバイル網の優先を求めているため、電波の弱い屋内にある端末は、すぐそばの強いWi-Fiを検討する前に、弱いモバイル網で発信を試み尽くしてしまいます。ある地点では、普通の通話はWi-Fi経由で4〜7秒、平均5.85秒でつながりました。同じ地点からの緊急通報は、20件中18件が研究者の設定した2分の上限に達しました。
2つ目はもっと意外な現象です。SIMの入っていない端末は、優先すべき自社網がないため、最も電波の強いネットワークをつかめます。一方、契約している利用者の端末は、まず自分の事業者のネットワークを試さなければなりません。電波状況にむらがある場所で、契約端末が緊急通報の接続を確立するまでにかかった時間は、3つのネットワークでそれぞれ61.3秒、70.2秒、77.4秒でした。同じ場所でSIMなしの端末は、米国で4.6秒、台湾で3.7秒でした。
緊急通報の接続時間(同じ地点で測定)
Hu ら、ACM CCS 2024。米国3社・台湾2社の事業者、端末4機種。120秒は自然な終点ではなく実験者が決めた打ち切り時間。契約端末の値は61.3秒、70.2秒、77.4秒の平均。
3つ目の欠陥は移動に関するものです。規格では、緊急通報中の特定のハンドオーバー(基地局の切り替え)が禁止されています。古い世代のネットワークから新しい世代への切り替えと、事業者をまたぐ切り替えです。現地での検証では、4Gから3Gに切り替わった通話がそのまま続いたものの、3Gの電波が弱くなっても4Gに戻れず、112秒で切断されました。そのとき、約−112dBmの4Gの電波がすぐそこに、使われないまま届いていました。
キャンプオンと、40秒の沈黙
いくつかの国には、自分の契約事業者が緊急通報を運べない場合のためのルールがあります。端末は利用可能な別のネットワークに「キャンプオン」(待ち受け先を切り替えること)して、そこから発信する、というものです。よいルールであり、まさにこうした障害があったからこそ存在しています。
オーストラリアの通信事業者で2025年9月に起きた緊急通報障害について、2025年12月に独立レビューが公表されました。このレビューは、キャンプオンにかかる時間を数字で示しています。多くの通報では40〜60秒かかる可能性がある、というのです。引用する価値があるのは、それに対するレビュー担当者のコメントです。緊急時に人がそれほど長く電話を切らずに待つとは考えにくく、「とりわけ、返ってくる反応が回線の無音だけであれば」なおさらだ、と述べています。
同じレビューでは、余裕がどれほど小さいかを示す設定の細部も見つかっています。障害当時、その事業者の緊急通報の無通信タイマーは10秒に設定されていました。ある端末機種の不具合を回避するために導入されたものです。その後、他社の150〜600秒にそろえて600秒に戻されました。地域的にはもっともな理由で変更されたたった1つのタイマーが、通報者と指令員のあいだに立ちはだかっていたのです。
2つの設定と、沈黙
2025年9月18日のOptusのTriple Zero(000)障害に関するSchottのレビュー、2025年12月公表。
同じ事業者が2023年11月に起こした全国規模の障害は、別の教訓を残しました。数え方の問題です。1,000万件を超える回線が約12時間止まりました。失敗したTriple Zero(オーストラリアの緊急番号000)への通報は、当初228件とされましたが、さらに2,468人の利用者が通報を試みて失敗していたと同社が明らかにし、約2,696件に修正されました。最初の数字はうそではありません。事業者に見えていたのがその数だったのです。届かなかった通報を数えようとすると、11倍もの修正が起こりうるということです。
研究データからは言えないこと
ここまでの説明には、反論しておくべき点が3つあります。そのうち2つは、数字を出した当事者自身が指摘しているものです。
欧州の登録簿は、傾向について結論を出すには「各国の報告基準が年々変わるため、慎重である必要がある」と注意しています。また、報告されるのは最も重大なインシデントだけです。何を重大とみなすかは28か国がそれぞれ決め、見直してもいます。つまり年ごとの件数は、信頼性と同じくらい報告ルールの変化も映しています。原因の内訳のほうは比較的信頼できます。基準がどうであれ、設定ミスは設定ミスだからです。
緊急通報の研究は、小規模な現地検証を伴うモデル検査であり、発生率の研究ではありません。こうした失敗が存在し再現することは示していますが、実際の通報者がどのくらいの頻度で遭遇するかはわかりませんし、それを測定した人もいません。また、研究者はすべてのテスト通報が指令員に届かないようブロックしていました。そのため接続時間は信号を遮断した時点までの測定で、実際より数秒短く出ています。2分の上限も研究者自身が決めた打ち切りルールです。さらに、最悪の結果を生んだ「モバイル網を優先する」というルールは、混雑時に帯域と優先度を保証するために存在しています。この研究は、その実際の利点を、測定したコストと比較してはいません。
3つ目が最も大きな点です。ネットワークは悪化しているわけではありません。欧州の登録簿には2012〜2024年に1,930件のインシデントが記録されています。年間の件数は増えていますが、2024年に失われた利用者時間(17億4,300万時間)は10年前の水準に戻り、2023年より55%少なくなっています。報告件数は増え、1件あたりの損失は減っているのです。そして、このテーマが投げかける問い、つまりこれが人命を奪っているのかどうかには、ほとんど答えが出ていません。通信障害と健康への影響を結びつけた研究は、連鎖的な障害のシミュレーションモデルであり、実際の人数を数えたものではありません。数えられているのは通報までです。
よくある質問
Q. SIMなしの端末でも本当に緊急通報できますか? 多くの国ではできます。これは意図的なもので、規制当局は契約の有無にかかわらず、あらゆる端末からの緊急通報を運ぶよう事業者に義務づけています。上で紹介した研究結果は、この自由があるおかげで、電波にむらのある場所ではSIMなしの端末のほうが速くつながる、というものです。特定の事業者を先に試す義務がないからです。
Q. Wi-Fi通話はオフにすべき?オンにすべき? 研究データからは一般的な答えは出せません。答えを言い切る人がいたら、それは推測です。測定された欠陥は、Wi-Fiの状態にかかわらず規格が緊急通報にモバイル網を優先させる、というものなので、この設定は多くの人が思うような決め手ではありません。知っておく価値があるのは、屋内で電波が1本しかないとき、緊急通報は普通の通話よりはるかに時間がかかることがあり、回線が無音でも失敗したとは限らない、ということです。
Q. 固定電話のほうが信頼できますか? かつては別の意味で信頼できました。電話局から給電されていたので、家庭の停電でも使えたのです。しかし現在の固定回線の多くはブロードバンド経由で、ルーターが止まれば一緒に止まります。欧州の統計では、影響を受けたサービスに占める固定インターネットの割合が、2023年の16%から2024年には26%に増えています。ここに「これなら安全」という種類はありません。
Q. 障害が起きていることに、どうすれば気づけますか? 多くの場合、気づけません。それも問題の一部です。コアネットワークやルーティングの障害では、基地局は電波を出し続けるので、端末にはアンテナが満タンに表示され、利用者には何かがおかしいという手がかりがありません。端末が別のネットワークにキャンプオンしようとしないことがあるのも、このためです。
Q. 今後は攻撃が主な原因になっていくのですか? 今のところそうはなっていません。報告された欧州のインシデントのうち、攻撃は2024年で8%、2022年で6%です。1件あたりの被害は大きいかもしれませんし、障害を起こさない諜報活動はこの登録簿には記録されません。それでも、存在する指標で見る限り、ネットワークの最大の敵はネットワーク自身です。
まとめ
- 欧州の重大な通信障害の5件に4件は、ネットワーク自体の故障か、誰かの設定ミスによるものです。意図的な攻撃は2024年で8%でした。
- 最初の通年報告となった2012年には、報告された79件のうち約40%が、巻き添えで緊急番号112を使えなくしていました。
- 2024年2月の米国の大規模障害は、1台の機器に入れたレビューなしの設定1つが原因でした。3分で1億2,500万台の端末が切断され、切り戻しに2時間、完全復旧には12時間かかりました。
- その夜、2万5,000件以上の911通報が失敗しました。成功した件数は公表されておらず、失敗率はわかっていません。
- ある屋内の試験地点では、緊急通報の90%が2分以内に指令員に届きませんでした。同じ場所からの普通の通話は5.85秒でつながっています。
- SIMなしの端末は5秒未満で緊急通報を確立できたのに、契約端末は1分以上かかりました。契約端末はまず自社のネットワークを試さなければならないからです。
- 別の事業者へのキャンプオンには40〜60秒の無音が続くことがあり、人はその間に電話を切ってしまいます。
- 実際の通報者がこうした問題にどのくらい遭遇しているのか、それが結果にどう影響しているのかは、誰も測定していません。数えられているのは通報までです。
この記事は、公表されたインシデント報告書と査読付きの測定研究から、通信障害と緊急通報についてわかっていることをまとめたものです。安全上の助言や、緊急時の行動ガイドではありません。緊急サービスが必要なときは、お住まいの国の緊急番号(日本では119番・110番)に電話し、切らずに待ってください。インシデントの数値は下記の公式報告書によるもので、各調査で確認できた範囲を反映しています。いくつかは公表後に修正されました。根拠から決着がつかない問い、とりわけ「こうした失敗が実際の通報者にどのくらいの頻度で起きているか」については、無理に結論を出さず、そのように記しています。
さらに読みたい方へ:2024年2月の障害に関するFCCの報告書は15ページで、一般の読者向けに書かれています。たった1つの設定が全国規模の事態になる過程を、公表資料の中で最もわかりやすく説明しています。ENISAの年次通信インシデント報告書は無料で短く、原因の内訳を一貫して公表している唯一の資料です。2024年の緊急通報の論文は専門家向けですが、図6〜10はそれだけ読んでも理解できます。
- Doom、Niall Ferguson(2021年)。大惨事を防ぐために作られた組織が、なぜしばしば防げないのか。
- Noise、Daniel Kahneman、Olivier Sibony、Cass Sunstein(2021年)。危機対応の場面で専門家の判断に生じる、望ましくないばらつきについて。
- The Data Detective(Tim Harford、2020年)。ニュースの数字を疑いながら読むための10のルール。
参考文献
- Federal Communications Commission, February 22, 2024 AT&T Mobility Network Outage: Report and Findings, Public Safety and Homeland Security Bureau, July 2024. (Configuration loaded at 2:42 a.m. ET that “did not conform to AT&T’s established network element design and installment procedures, which require peer review”; outage began 2:45. More than 125 million registered devices disconnected across all 50 states, DC, Puerto Rico and the US Virgin Islands. More than 92 million voice calls blocked, more than 25,000 calls to 911 failed. Rollback complete by approximately 4:45 a.m.; FirstNet restored 5:00 a.m.; registrations normalised about 12:30 p.m. after all devices attempted simultaneous re-registration. Referred to the Enforcement Bureau for potential violations of parts 4 and 9.)
- European Union Agency for Cybersecurity (ENISA), Telecom Security Incidents 2024, July 2025. (188 incidents, 26 EU member states and 2 EFTA countries, against 156 in 2023. System failures 113 incidents / 60%; human errors 35 / 19%; natural phenomena 25 / 13%; malicious actions 15 / 8%. Total 1,743 million user hours lost, 55% below 2023. Fixed internet affected in 26% of incidents against 16% in 2023. 1,930 incidents recorded 2012–2024. States that trend conclusions “have to be made with caution, as national reporting thresholds change over the years” and that reporting “only covers the most significant incidents”.)
- ENISA, Annual Incident Reports 2012. (79 significant incidents; system failures 75%. “Almost 40% of the incidents affected the possibility of dialling the emergency number 112.”)
- ENISA, Telecom Security Incidents 2022. (155 incidents; system failures 72%, human errors 15%, malicious actions 6%, natural phenomena 6%. Of 10,481 million user hours lost to system failures, 1,048 million were power cuts. Third-party failures flagged in 23% of incidents.)
- Hu, Y., Chen, M.-Y., Yan, H., Cheng, C.F., Tu, G.-H. and Li, C.-Y., “Uncovering Problematic Designs Hindering Ubiquitous Cellular Emergency Services Access”, ACM CCS, 2024. (11 design defects, 9 validated across three US and two Taiwan carriers, campus Wi-Fi and four carrier-certified handsets. At location P7, 4G no stronger than −120 dBm and Wi-Fi no weaker than −55 dBm: non-emergency calls connected over Wi-Fi in 4–7 s, mean 5.85 s, while 18 of 20 emergency calls hit the 120-second ceiling — 90% not connected within two minutes. Subscribed handsets took 61.3, 70.2 and 77.4 s at uneven-coverage locations against 4.6 s (US) and 3.7 s (Taiwan) for SIM-less handsets. A call handed to 3G dropped at 112 s despite a 4G signal of about −112 dBm, because 3G-to-4G escalation during a call is forbidden. Test calls were blocked from reaching PSAPs, so measured setup times understate the real ones.)
- Schott, K., independent review of the Optus Triple Zero outage of 18 September 2025, December 2025. (“For many calls it may take 40–60 seconds to camp-on”. Optus had set its emergency inactivity timer to 10 seconds to work around an issue with Google Pixel 6A devices, since reverted to 600 s against other networks’ 150–600. Notes that people are unlikely to wait “especially when the only response they are getting is silence on the line”.)
- Bean, R., Review into the Optus outage of 8 November 2023, Australian Department of Infrastructure, Transport, Regional Development, Communications and the Arts, 2024. (More than 10 million services affected for about 12 hours; 18 recommendations. Failed Triple Zero calls first reported as 228; Optus later stated a further 2,468 customers had tried unsuccessfully, giving approximately 2,696.)
- National 911 Program, 2021 National 911 Profile Database Report. (45 states reported approximately 213.7 million 911 calls to primary PSAPs in 2021; 40 states reported 138.1 million wireless against 17.7 million wireline; 4,637 primary and 656 secondary PSAPs. Five states marked totals unknown, six did not submit; tracking total calls “requires input from many entities that may include estimates”.)
- O’Reilly, G.P., Richman, S.H. and Kelic, A., “Power, telecommunications, and emergency services in a converged network world”, DRCN, 2007. (A dynamic simulation of power outages cascading into telecom and then into 911 access and injury severity. Cited here as an example of what kind of evidence exists on the health question: a model, not a count.)
