インドの金融詐欺:件数は減り、金額は急増

ダージリンのインドステイト銀行のATM
資料写真:ダージリンのインドステイト銀行のATM。 写真:Monito(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)
件数減、金額増更新 2026年10月18日

トレンドの要約

  • インド準備銀行(RBI)によると、2025-26年度に銀行が報告した不正は10,114件、4,802億1,000万ルピー(約4,800億ルピー)でした。件数は前年度の23,722件から減りましたが、金額は前年度の3,280億ルピーから増えています。
  • 金額を押し上げているのは大口の融資詐欺です。2025-26年度は融資が金額の84.9%を占めました。件数では、2023-24年度と2024-25年度はカード、インターネット、デジタル決済の不正が最多でした。
  • 国家犯罪記録局(NCRB)によると、警察が受理した2024年のサイバー犯罪は101,928件で、2023年より17.9%増え、その4件に3件近くは詐欺目的でした。
  • 内務省(MHA)によると、通報ダイヤル1930とその通報システムは、2026年6月30日までに328万件の通報で1,115億8,000万ルピー(約1,110億ルピー)以上の被害を防ぎました。
4,800億ルピー銀行が報告した不正の金額(2025-26年度、RBI)
10,11410万ルピー以上の銀行不正の件数(2025-26年度)
101,928受理されたサイバー犯罪の件数(2024年、NCRB)
2,280億ルピー報告されたサイバー詐欺の被害額(2024年、MHA)

数字で見る現状

RBIは10万ルピー以上の不正を、銀行が報告した年度ごとに数えています。2025-26年度に銀行が報告したのは10,114件、4,802億1,000万ルピー(約4,800億ルピー)でした。2024-25年度は23,722件・3,280億3,000万ルピー、2023-24年度は35,800件・1,101億3,000万ルピーです。2025-26年度の総額のうち3,570億9,000万ルピーは公的部門の銀行の分でした(RBI年次報告書 2025-26)。この金額は損失額ではありません。回収されれば減りますし、今年報告された不正が何年も前に起きていることもあります。過去最大は2019-20年度で、8,707件・1兆8,564億4,000万ルピー(約1.86兆ルピー)が報告されました(RBI年次報告書 2019-20)。

オンライン詐欺の様子は違います。議会への内務省の答弁によると、全国通報ポータルへの市民からのサイバー犯罪の通報は2022年の1,029,026件から2024年には2,268,346件に増え、被害額は2023年の746億5,180万ルピーに対して2024年は2,284億5,730万ルピー(約2,280億ルピー)でした(PTI)。2023-24年度から2025-26年度にかけて、ポータルには539万件を超えるサイバー詐欺の通報と5,608億7,000万ルピーを超える被害の報告がありましたが、同じ期間に返金されたのは約20億6,000万ルピーだけでした(報道情報局(PIB))。警察が正式に受理した事件はずっと少なく、2024年のサイバー犯罪は101,928件、そのうち詐欺目的は73,987件でした(PIB、ETV Bharat)。警察官や役人を装って電話をかける、いわゆる「デジタル逮捕」詐欺は、2022年の39,925件・9億1,140万ルピーから、2024年には123,672件・193億5,510万ルピーに増えました(PTI)。

背景にあるもの

2種類の不正が逆の方向に動いています。件数では、カード、インターネット、デジタル決済の小口の不正が銀行の報告の大半を占めました。2023-24年度は28,836件、2024-25年度は13,332件です。金額では融資詐欺が大半で、2024-25年度は92.6%、2025-26年度は84.9%でした(RBI)。大口の融資詐欺は発覚が遅れます。2019-20年度、不正が起きてから見つかるまでの期間は平均24か月で、10億ルピー以上の不正では63か月でした(RBI)。2023年の最高裁判決で、銀行は口座を不正と認定する前に借り手の言い分を聞くことが必要になりました。そのため多くの案件がいったん取り下げられ、あらためて報告されました。2025-26年度だけで314件・3,019億9,000万ルピーです(RBI)。

オンライン詐欺は、安いデータ通信、即時決済、そして他人名義の「ミュール口座」とともに増えています。2026年6月30日までに当局は157万枚を超えるSIMカードと577,000台の端末識別番号(IMEI)を停止し、第1層のミュール口座320万件の情報を銀行と共有し、不審者登録簿を通じて2,569億8,000万ルピー分の取引を止めました(PIB)。インドのコンピューター緊急対応チーム(CERT-In)が対応したサイバーセキュリティ事案は、2021年の1,402,809件から2025年には2,944,248件に増えました(PIB)。

最近の事例

  • 2026年8月12日:内務省は上院(Rajya Sabha)で、1930の通報システムが2026年6月30日までに328万件を超える通報で1,115億8,000万ルピー以上の被害を防いだと説明しました。また、NCRBは偽の交通違反電子通知(e-challan)詐欺を別に集計していないと述べました(PIB)。
  • 2026年7月22日:内務省によると、2023-24年度から2025-26年度に全国ポータルが受けたサイバー詐欺の通報は539万件を超え、報告された被害は5,608億7,000万ルピーを超え、事件の正式な受理(FIR)は181,271件でした(PIB)。
  • 2026年5月29日:RBIの年次報告書で、2025-26年度の銀行不正は10,114件に減った一方、金額は4,802億1,000万ルピーに増えたことがわかりました。この中には、あらためて報告された過去の案件314件・3,019億9,000万ルピーが含まれます(RBI)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、1年に最大5件、新しい順に載せています。多くはインド政府の各省が報道情報局(PIB)を通じて出した発表や、国家犯罪記録局(NCRB)、インド準備銀行(RBI)、国立地震センター(NCS)などの全国機関、州政府の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り、報道やデータ分析の記事も含めています。タイトルは原文(英語)のままです。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

インドの金融詐欺に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の28件、1年最大5件、新しい順

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

5件に満たない年が多く、まだ1件もない年もあります。インド政府の古い発表は元のアドレスで見つけにくく、実際に開いて確認できたものだけを載せているためです。リストは今後も追加していきます。ページに日付がない場合は、発表のアドレスや発行元の一覧にある日付を使っています。

写真リスト

コルカタ、カウンシル・ハウス・ストリートのインド準備銀行の入口
資料写真:コルカタのインド準備銀行。RBIは全国の銀行不正の件数を公表しています。 写真:Biswarup Ganguly(Wikimedia Commons、CC BY 3.0)
ダージリンのICICI銀行のATM
資料写真:ダージリンのICICI銀行のATM。 写真:Monito(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。速報値・暫定値は後で改訂されるため、そう明記しています。インドの統計の多くは州ごとに集計され、1〜2年遅れて公表されるため(NCRBの2024年の事故統計は2026年に公表)、それぞれの数値が何年のものかを書いています。大きな数は国際的な表記で示し、インドの資料がラーク(10万)やクロール(1000万)を使う場合は括弧で添えています。写真はパブリックドメインまたはクリエイティブ・コモンズの画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書かない限り本文の出来事の写真ではありません。このページは傾向をまとめたもので、個別の安全・医療・法律・金融の助言ではありません。