カナダの建物火災:古い建物と新しい危険

モントリオール旧市街で焼け落ちた石造りの建物
2023年3月の火災後、ダユーヴィル広場(モントリオール旧市街)の建物。この火災で7人が亡くなりました。 写真:Carl Campbell(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)
件数は減少、新たな危険更新 2026年10月17日

トレンドの要約

  • 店舗・事務所・工場など住宅以外の建物の火災は、カナダの建物火災の一部にすぎません。ただ大きな被害が出るのは、古い建物や本来と違う使われ方をしている建物であることが多いのです。
  • 全国火災データを報告している地域では、建物火災が2015年の17,132件から2021年の15,986件に減りました。そのうち約3割が住宅以外の建物です。
  • ブリティッシュコロンビア州では2024年の火災死者が80人と29%増え、火災損害額は6億6,300万ドルを超えました。
  • リチウムイオン電池は建物火災の原因にもなっています。トロントでは2年で162%増えました。
15,986件建物火災(2021年、報告地域)
約3割住宅以外の建物の火災の割合
+162%トロントのリチウムイオン電池火災(2022→2024年)
7人モントリオール旧市街火災の死者(2023年3月)

数字が示すこと

カナダ統計局の全国火災情報データベースは、ノバスコシア、ニューブランズウィック、オンタリオ、マニトバ、ブリティッシュコロンビアの各州、ユーコン準州、カナダ軍基地を対象にしています。ここでの建物火災は2015年の17,132件から2020年に15,168件へ減り、2021年に15,986件へ戻りました。建物火災は火災全体の42%で、その約7割が住宅だったため、残りの約3割が商業・工業・公共施設などの建物です。全国データは2021年で止まっています。

ブリティッシュコロンビア州はもっと新しい数字を出しています。2024年は火災12,072件、建物火災4,063件で、うち約880件が住宅以外、火災死者80人、損害額は6億6,300万ドル超でした。警察が把握した放火も被害を増やしており、2012〜2021年に年に約9,500件、2021年には発生率が12%上がりました。

背景にあるもの

目立つ要因は2つあります。1つは古い建物の使われ方です。2023年3月のモントリオール旧市街の火災では、亡くなった7人のうち6人が、15戸の歴史的建造物にある違法な短期貸し部屋に泊まっていました。2026年3月、所有者は7件の過失致死罪で起訴されています(CP24)。もう1つは電池です。トロントではリチウムイオン電池火災が2022年29件、2023年55件、2024年76件と増え、高層住宅で複数のけが人が出た火災もありました。

規則の見直しはゆっくり進んでいます。2025年版の全国建築基準と全国消防基準は2025年12月に公表され、各州がそれぞれの日程で採用します。

最近の事例

  • 2026年3月18日:7人が死亡したモントリオール旧市街の建物の所有者が逮捕され、過失致死と業務上過失傷害で起訴(CP24)。
  • 2025年12月:2025年版の全国モデル基準が公表され、国立研究機構(NRC)から電子版が無料で入手可能に(Mechanical Business)。
  • 2025年7月7日:2024年の電池火災が38%増えたことを受け、トロント市が住民に注意を呼びかけ(トロント市)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、1年に5件ずつ、新しい順に載せています。多くは連邦政府の省庁・機関、運輸安全委員会(TSB)、カナダ統計局、州政府の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り、報道や業界紙の記事も含めています。タイトルは原文(英語・一部フランス語)のままです。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

カナダの建物火災に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の77件、1年最大5件、新しい順

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

初期の年には5件に満たない年があります。その時期のカナダ政府の発表の多くは元のアドレスでは公開されておらず、実際に開いて確認できたものだけを載せているためです。ページに日付がない場合は、発表のアドレスや発行元の一覧にある日付を使っています。

写真リスト

ラックメガンティックの町の上空に広がる煙の衛星画像
2013年7月6日、暴走した石油輸送列車が町の中心部で脱線・爆発し47人が亡くなった直後のラックメガンティック(ケベック州)の衛星画像。 写真:NASA (VIIRS, Suomi NPP satellite)(Wikimedia Commons、パブリックドメイン)
市街地を走るトロント消防の高層建物対応車
資料写真:トロント消防局の高層建物対応車。 写真:PvOberstein(Wikimedia Commons、CC0)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。速報値・暫定値は後で改訂されるため、そう明記しています。カナダの統計は州・準州ごとに集められることが多く、全国の統計が数年遅れることもあるため、それぞれの数値がどの地域・どの年のものかを書いています。写真はパブリックドメインまたはクリエイティブ・コモンズの画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書かない限り本文の出来事の写真ではありません。このページは傾向をまとめたもので、個別の安全・医療・法律・金融の助言ではありません。