日本の不慮の事故:熱中症、転倒・転落、入浴中の溺死

日本の家庭の浴槽
資料写真:日本の家庭の浴槽。浴槽での溺死は2024年に7,776人で、約95%が65歳以上です。写真:All Cat(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)
暑さと高齢化のリスク2026年10月5日更新

トレンドの要約

  • 日本で命にかかわる事故の多くは、道路ではなく家庭で、高齢者に、転倒・転落、入浴中の溺水、窒息によって起きています。高齢化がこれらの数字を高い水準に保っています。
  • 厚生労働省の人口動態統計(確定数)によると、2025年に日本で不慮の事故により亡くなった人は45,068人で、2024年の45,743人からわずかに減りました。
  • 最も急速に動いているリスクは暑さです。2025年5〜9月に熱中症で救急搬送された人は100,510人で、2008年の統計開始以来最多となり、2年続けて記録を更新しました。2026年は9月27日までに77,442人(速報値)で、それより少なくなっています。
  • 職場では状況が良くなっています。2025年の労働災害による死亡は700人で過去最少でしたが、職場での熱中症による死傷者は過去最多の1,803人でした。
45,068人不慮の事故による死者、日本、2025年(確定数)
100,510人熱中症による救急搬送、2025年5〜9月(過去最多)
7,776人浴槽での溺死、2024年、約95%が65歳以上
700人労働災害による死亡、2025年(過去最少)

数字が示すこと

全国の基準は、2026年9月30日に公表された厚生労働省の2025年人口動態統計(確定数)です。2025年の不慮の事故による死者45,068人のうち、転倒・転落・墜落は11,963人、溺死・溺水は10,065人、窒息は8,059人、交通事故は3,348人で、転倒・転落だけで交通事故の3倍以上の人が亡くなっています。溺死の多くは自宅の浴槽で起きています。消費者庁は2024年の人口動態統計をもとに、浴槽内での溺死・溺水と浴槽への転落による死者を7,776人(95%が65歳以上)、食べ物による窒息の死者を4,383人(91%が高齢者)としています。熱中症による死者は2025年に1,610人で、2024年の2,160人から減りました(厚生労働省)。

消防庁は毎年夏、熱中症で救急搬送された人を数えています。2025年5〜9月の確定値は100,510人で、2024年の過去最多97,578人を上回りました。57%が65歳以上で、発生場所は住居が最も多く(約38%)でした。2026年は全体では少なく、9月27日までに77,442人で、2025年の同じ期間の100,350人を下回りました(消防庁、速報値)が、2026年7月の搬送は41,174人で、2008年以降で3番目に多い7月でした。職場については、厚生労働省の2025年の労働災害発生状況で、死亡は700人と6.2%減って過去最少、休業4日以上の死傷者は135,333人でした。原因で最も多かったのは転倒で、37,195人でした。

背景にあるもの

最大の要因は年齢です。高齢者は、転倒後に亡くなったり、正月の餅などの食べ物を詰まらせたり、冬に熱い風呂で溺れたりする可能性がずっと高くなります。冬の入浴では、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室に移ることで心臓や血圧に負担がかかります。消費者庁は毎冬注意を呼びかけており、最近では2025年12月に、入浴前に脱衣所や浴室を暖める、入浴前に水分をとる、熱すぎる湯や長湯を避ける、入浴する前に家族に声をかける、といった対策を勧めています。子どもについては、同庁の消費者安全調査委員会が2025年6月に窓やベランダからの転落事故に関する報告書を公表し、2026年7月に都道府県に改めて注意を促しました。

熱中症の増加は、夏が暑くなったことで説明できます。消防庁は、2025年は多くの地域で梅雨明けが統計上最も早く、日本の観測史上最も暑い夏で、熱中症警戒アラートの発表回数も過去最多だったと指摘しています。職場では、厚生労働省によると熱中症による死傷者は2025年に約43%増えて過去最多の1,803人となった一方、死亡は31人から19人に減りました。同省は、2025年に施行され、暑い中での作業について事業者に報告体制や緊急時の手順の整備を義務づけた規則の効果だとしています(厚生労働省)。

最近の事例

  • 2026年9月30日:2025年人口動態統計の確定数で、不慮の事故による死者は45,068人、熱中症による死者は1,610人と、いずれも2024年より減りました。最大の原因は引き続き転倒・転落(11,963人)です(厚生労働省)。
  • 2026年7月22日:消防庁のデータで、7月13〜19日の1週間に熱中症で救急搬送された人は10,857人と、2025年の同じ週の2倍を超え、2026年で初めて1万人を超えました。14人は初診時に死亡が確認されました(Japan Times、英語、消防庁)。
  • 2026年5月27日:厚生労働省は、2025年に熱中症で死傷した労働者が過去最多の1,803人となり、労働災害全体の死亡は過去最少の700人だったと発表しました(厚生労働省)。

報道発表・公式報告(2023〜2026年)

直近4年分の主な発表を、1年に5件ずつ、新しい順に載せています。多くは日本の府省庁・機関、規制当局、事故調査機関、公的統計の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り報道も含めています。リンク先の多くは日本語の原文ですが、タイトルは英語版ページのために英訳したもののまま載せています。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

2026

2025

2024

2023

日本の不慮の事故に関する主な発表20年分を見る(2007〜2026年)2007〜2022年の75件、1年最大5件、新しい順

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

直近4年分の主な発表を、1年に5件ずつ、新しい順に載せています。多くは日本の府省庁・機関、規制当局、事故調査機関、公的統計の発表で、出来事を最もはっきり記録しているものに限り報道も含めています。リンク先の多くは日本語の原文ですが、タイトルは英語版ページのために英訳したもののまま載せています。2007〜2022年の発表は、2023年の後にある折りたたみリストにあります。

写真リスト

東京消防庁の救急車
資料写真:東京駅の東京消防庁の救急車。熱中症でいまは毎夏約10万人が救急搬送されています。写真:Dick Thomas Johnson(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)
東京都台東区の建設現場
資料写真:東京都台東区の建設現場。写真:Scott Kouchi / Real Estate Japan(Wikimedia Commons、CC BY 2.0)

このページのつくり方 数値は上にリンクした公式の統計発表によります。速報値・暫定値は後で改訂されるため、そう明記しています。日本の統計は年度(4月〜翌年3月)で集計されることが多いため、それぞれの数値がどの期間のものかを書いています。写真はパブリックドメインまたはクリエイティブ・コモンズの画像で、各キャプションに出典を記しています。「資料写真」は説明のためのもので、キャプションに書いていない限り、記事中の出来事を写したものではありません。このページは動向をまとめたもので、個人の安全・医療・法律・金融に関する助言ではありません。