バレーボールのケガ:ネット際の足首と、2回目の捻挫

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  • バレーボールで最も多いケガは足首の捻挫で、大半はネット際での着地で起こります。
  • あるトップレベルの研究では、過去6か月以内に捻挫した足首は、再び捻挫する可能性が9.8倍でした。
  • バランストレーニングで捻挫が減ったのは、主に過去に捻挫したことのある選手でした。
  • 米国の女子大学バレーボールのケガの発生率は全競技の平均並みで、サッカーやアメフトよりかなり低めです。

1990年代のノルウェーのトップリーグでは、過去6か月以内に捻挫した足首は、1シーズンのうちに42%が再び捻挫していました。ケガをしたことのない足首と比べると、リスク比は9.8です。この研究での足首の捻挫のうち、5件に4件近くが再発でした。

バレーボールのケガについてわかっていることの大半は、この1つの数字で説明できます。バレーボールは特に危険なスポーツではありません。多くの指標で、大学スポーツの平均並みかそれ以下です。そしてケガは、特定の場所と瞬間に集中しています。ネットの下で、着地のときに、しばしば他人の足の上で。さらに、これまでに見つかった最も効果的な予防策は、主に一度ケガをしたことのある選手に効いていました。

この記事はシリーズの形式に沿って、バレーボール選手が実際にどこをケガするのか、リスクがどこに集中するのか、何がリスクを減らすと測定されているのか、そしてなぜ「プレーをやめる」が答えではないのかを見ていきます。

実際に多いケガ

何よりも足首です。272人の選手を延べ5万1,588時間追跡したノルウェーの研究では、急性のケガの54%が足首で、次いで腰が11%、ひざと肩がそれぞれ8%、指が7%でした。全体の発生率は1,000時間あたり1.7件です。オランダの2部・3部リーグの選手486人のコホート研究では1,000時間あたり2.6件で、ここでも急性のケガで最も多かったのは足首の捻挫でした。

トップレベルでは、FIVB(国際バレーボール連盟)が2010〜2014年の国際大会32大会で独自に行った調査で440件のケガが記録され、試合中の発生率は1,000選手時間あたり10.7件でした。診断名として最も多かったのは足首の捻挫で、19.8%でした。ほとんどは軽いケガで、4週間を超えて離脱すると見込まれたのは10件だけでした。著者らは、ケガのリスクはサッカー、ハンドボール、アイスホッケーよりかなり低いとしています。男女でケガの発生率は同じでした。

トップ選手がケガをする部位

FIVB国際大会の試合中のケガ440件の内訳(2010〜2014年)

足首25.9%
ひざ15.2%
手の指・親指10.7%
腰8.9%
肩5.0%

出典:Bere et al., British Journal of Sports Medicine 49:1132–1137(2015年)

ジャンプ特有のケガが2つあります。1つは膝蓋腱炎(ジャンパー膝)で、ひざのお皿の下の腱が痛むものです。バレーボールでの有病率は30〜51%と報告されており、バスケットボールの25〜32%を上回り、自転車競技やレスリングでは0です。トップレベルの男子選手を対象としたある研究では、45%に現在症状がありました。プレーを止めるほどになることはまれで、それがかえって問題でもあります。女子大学選手では、離脱を伴う発生率は1,000回の参加あたり約0.2〜0.26件にすぎませんでしたが、シーズン開始前の超音波検査では106人中22人に腱の変化が見つかっていました。もう1つは、何千回ものオーバーヘッドのスイングによる肩のトラブルで、ケガの8〜20%を占め、オランダのコホートでは平均離脱期間が最も長く、6.5週間でした。ジャンプ系競技で最も恐れられるACL(前十字靱帯)断裂はまれで、女子選手の統合推定値は1,000回の参加あたり約0.02件です。

リスクが集中する場面

ネット際です。ノルウェーで最初に行われた足首の捻挫の研究では、86%がネット際で起き、多くはブロック後(63%)かアタック後(29%)の着地でした。ブロックした選手が、センターラインを越えて着地したアタッカーの足の上に降りたり、2枚・3枚ブロックで味方の足の上に降りたりしていたのです。その後、世界トップレベルの試合での足首のケガ24件を映像で分析した研究では、15件がブロック中(相手の足の上が11件、味方の足の上が4件)、6件がアタック中に起きていました。相手の足の上に着地した12件のうち11件では、アタッカーはセンターラインのルールに違反することなく相手コートに着地していました。

シュールな点描画:細い縦線の両側に点でできた球が1つずつあり、一方の球の影が線の下をくぐって反対側に伸びている。
線を越える影。

これは、誰がリスクを負うかに関わってきます。ネット際で跳ぶ時間が最も長いミドルブロッカーとアウトサイドヒッターが最もケガをしやすく、セッターや守備専門の選手ははるかに少なくなります。FIVBのデータでは、足首のケガの47.4%が他の選手との接触によるもので、プレー時間で調整した発生率はセンターの選手が最も高く、リベロが最も低くなっていました。米国の大学のバレーボールとバスケットボールを合わせると、足首のケガの52.6%は選手同士の接触が原因でした。

そして、過去の捻挫です。ノルウェーのシーズンでは、足首のケガの79%が再発で、過去6か月以内に捻挫した足首は再び捻挫するリスクが9.8倍でした。オランダのコホートでも、捻挫した選手の75%は以前にも捻挫していました。ジャンパー膝には独自の負荷曲線があります。若いトップ選手では、週あたりの練習が1時間増えるごとにオッズ比が1.72、週あたりのプレーするセット数が1つ増えるごとに3.88上がりました。ジャンプ力のある選手ほどリスクが高く、研究者たちはこの皮肉を「ジャンパー膝のパラドックス」と呼んでいます。

以前にもケガをした足首

ノルウェーのトップレベルのバレーボールで、新たに足首を捻挫するリスク(ケガのない足首との比較)

捻挫歴なし1.0倍
過去に捻挫あり3.8倍
6か月以内に捻挫9.8倍
捻挫全体に占める再発79%

出典:Bahr and Bahr, Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports 7:166–171(1997年)

ある古い通説は、最近の米国のデータでは当てはまりません。ノルウェーでは時間あたりで見ると、試合は練習の3〜4倍危険でした。ところが、2009〜2014年のNCAA(全米大学体育協会)のケガをまとめたCDC(米国疾病予防管理センター)の報告では、女子競技のうち試合が練習より有意に危険でなかったのは3競技だけで、バレーボールはその1つでした。その後の5年間のデータでは、練習のほうがわずかに上回っています。2つの調査はリスクの測り方が異なり(1時間あたりと1回あたり)、矛盾しているわけではありませんが、同じ方向を示しています。この競技のリスクはスコアボードではなく、特定のメカニズムにあるということです。

効果が確認されている対策

最初の予防プログラムを試したのは、1990年代のRoald Bahr率いるノルウェーの研究グループです。ケガのメカニズムについて選手に教え、踏み切りと着地の技術を指導し、捻挫を繰り返している選手にはバランスボードを使わせました。3シーズンで、足首のケガは1,000時間あたり0.9件、0.7件、0.5件と減り、件数は48件、38件、24件でした。ただしこれはランダム化比較試験ではなく前後比較なので、その間のほかの変化の影響を否定することはできません。

2つの予防研究

オランダの試験は地域単位で、レクリエーション選手の試験はチーム単位でランダム化。

バランスボード、オランダの116チーム
1,127人、1シーズン
足首の捻挫:1,000時間あたり0.4件減
効果があったのは捻挫歴のある選手のみ
ひざに古傷のある選手では、ひざの使いすぎ障害が増加
ウォームアップ「VolleyVeilig」、成人672人
レクリエーション選手
急性のケガ:1,000時間あたり8.9件 対 11.3件
調整後ハザード比 0.85(0.71〜1.02)
統計的に有意ではない

出典:Verhagen et al., American Journal of Sports Medicine 32(6), 2004年、Gouttebarge et al., Journal of Sports Sciences(2020年)

シュールな点描画:点でできた球が、小さな台の上にのった細い板の上でバランスをとっている。その下にはしっかりした地平線がある。
狭い足場に立つことを、あえて練習する。

次に行われたのが、116チームを地域単位でランダム化したオランダのバランスボードの試験です。介入群では足首の捻挫が1,000時間あたり0.4件少なくなりましたが、効果があったのは過去に捻挫したことのある選手だけでした。ノルウェーのデータが注目したのと同じグループです。ひざにケガ歴のある選手では、プログラム中にひざの使いすぎ障害が増えました。どんなトレーニングにも代償がありうることを示しています。成人672人を対象に、構成されたウォームアップを試したレクリエーション選手の試験では、急性のケガが1,000時間あたり8.9件対11.3件と少なかったものの、調整後の結果は統計的に有意ではありませんでした。バレーボールのランダム化比較試験6件をまとめた2026年のレビューでは、全体として統合した予防効果は見られず、エビデンスの質は低いと評価されています。公平にまとめるなら、予防が最もよく効くのは、そしておそらく効くのはそこだけなのは、リスクが最も高いところ、つまり一度捻挫した足首です。

ノルウェーのプログラム:シーズンごとの推移

意識づけ・技術指導・バランスのプログラム開始後の、ノルウェーのトップレベルのバレーボールにおける足首の急性捻挫

1シーズン目(件数)48
2シーズン目(件数)38
3シーズン目(件数)24
1シーズン目(1,000時間あたり)0.9
3シーズン目(1,000時間あたり)0.5

出典:Bahr, Lian and Bahr, Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports(1997年)。ランダム化ではなく前後比較。

ほかの2つの考え方は、人気の割に裏付けが弱いものです。足首のサポーターやテーピングが捻挫を防ぐことを示したバレーボールに特化した試験はなく、根拠はバスケットボールとサッカーのものです。すでに捻挫したことのある女子選手52人を対象とした小規模なランダム化比較では、技術トレーニング、バランストレーニング、サポーターのいずれも効果があり、技術トレーニングがわずかに上回りました。また、アメリカンフットボールのようにルール変更が解決策になったわけでもありません。ノルウェーではかつて、センターラインに少しでも触れたら反則とするルールを試しましたが、笛の回数が20倍近くに増え、この案は取り下げられました。その後NCAAが、ラインを完全に越えることを認めたときも、足首の捻挫は有意には増えませんでした。ジャンパー膝については、ある小規模な試験で、高負荷でゆっくり行う筋力トレーニングとエキセントリック運動(筋肉を伸ばしながら力を出す運動)のどちらも、6か月の時点でステロイド注射より効果が長続きしました。ただし、試合シーズン中に行ったエキセントリックトレーニングには効果がありませんでした。

「やめればいい」が答えではない理由

ケガの多さで見ると、バレーボールは中くらいです。CDCがまとめたNCAAのデータでは、女子バレーボールは1,000回の参加あたり6.4件で、女子バスケットボールの6.5件、全競技平均の6.0件と同程度。女子サッカーの8.4件、男子アメフトの9.2件、男子レスリングの13.1件よりかなり低くなっています。2024年に米国の救急外来で治療されたバレーボールのケガは推定6万5,440件で、バスケットボールは38万5,777件、サッカーは26万5,761件でした。

大学スポーツの中でのバレーボール

1,000回の参加あたりのケガの件数(NCAA、2009〜10年度から2013〜14年度)

男子レスリング13.1
男子アメフト9.2
女子サッカー8.4
女子バスケットボール6.5
女子バレーボール6.4

出典:Kerr et al., MMWR 64(48):1330–1336(2015年)

シュールな点描画:地平線の上に点でできた球が6つ並び、そのうち1つだけが少し浮き上がって、影を地面に残している。
6つのうち1つが、ほんの一瞬だけ宙に。

メリットも測定されています。バレーボールのトレーニングに関するランダム化比較試験12件(参加者656人)をまとめた2026年のメタアナリシスでは、筋持久力、心肺持久力、筋力の向上が見られました。いずれも小規模で内容もさまざまですが、ランダム化比較試験であることに変わりはなく、この競技が運動としての役割をきちんと果たしていることを示しています。チームスポーツならではの人とのつながりや、重いケガの少なさも考え合わせれば、プレーを続ける理由は十分にあります。

ケガのデータは、何を変えればいいかも示しています。リスクはネット際、着地、そして以前捻挫した足首に集中しています。そこから、選手やコーチが具体的にできることが見えてきます。1回目の捻挫の後は、バランス練習も含めてリハビリをきちんと終えてから、本格的なブロックに戻ること。着地のコントロールを練習すること。特にひざに痛みのある若い選手は、ジャンプの量を少しずつ増やすこと。そして、膝蓋腱の痛みを単なる不快感ではなく負荷の問題として扱うことです。2025年に米国の男子クラブ大会で、2人の選手が同時にネットの下をくぐり、3人目の選手が安全に着地できる場所を失ったケースがありました。アマチュアの試合でもセンターラインの判定が大切な理由がわかります。どれも、競技をやめろという話ではありません。ケガの大部分を生んでいる1つのメカニズムに、真剣に向き合おうという話です。

よくある質問

Q. バレーボールで最も多いケガは?

足首の捻挫です。多くは、ブロックやアタックの後にネット際で他の選手の足の上に着地して起こります。

Q. バレーボールは危険なスポーツ?

ほかの多くの競技と比べて危険というわけではありません。女子大学バレーボールのケガは1,000回の参加あたり約6.4件で、全競技平均に近く、重いケガはまれです。

Q. 足首のサポーターでバレーボールの捻挫は防げる?

バレーボールに特化した試験では証明されていません。2回目の捻挫を防ぐ方法として最も根拠があるのは、1回目の捻挫の後のバランストレーニングです。

Q. ジャンパー膝とは?

ひざのお皿の下の腱の痛みで、ジャンプの量と関連しています。バレーボールではよく見られ、通常は練習量の調整と筋力強化で対処します。

Q. ビーチバレーはインドアより安全?

ビーチバレーにはセンターラインがなく、足首の捻挫は少なめですが、肩や腰の使いすぎ障害は多くなります。全体の発生率は同程度です。

まとめ

  • バレーボールで最も多いケガは足首の捻挫で、大半はネット際での着地で起こります。
  • あるトップレベルの研究では、過去6か月以内に捻挫した足首は、再び捻挫する可能性が9.8倍でした。
  • バランストレーニングで捻挫が減ったのは、主に過去に捻挫したことのある選手でした。
  • 米国の女子大学バレーボールのケガの発生率は全競技の平均並みで、サッカーやアメフトよりかなり低めです。
  • 1回目の捻挫の後はリハビリをきちんと終え、着地を練習し、ジャンプの量は少しずつ増やしましょう。

この記事は発表された研究をまとめたもので、医学的な助言ではありません。ケガが長引く、または繰り返す場合は医師や理学療法士の診察を受け、捻挫後の競技復帰については専門家の指示に従ってください。

さらに詳しく知りたい方へ:トップレベルのケガの調査はBere et al., British Journal of Sports Medicine 49:1132–1137(2015年)、バランスボードの試験はVerhagen et al., American Journal of Sports Medicine 32(6), 2004年。別のジャンプ系競技でのサポーターの試験については、当サイトのバスケットボールのケガの記事で取り上げています。

おすすめの3冊
  • Hidden Potential、Adam Grant(2023年)。組織心理学者が、スキルは才能だけでなく練習と仕組みによって身につくことを解説した本です。着地の技術が教えて身につくものである理由を考えるのに役立ちます。
  • Next Level、Stacy SimsとSelene Yeager(2022年)。生理学者による中年期の女性のためのトレーニングガイドで、趣味でバレーボールを楽しむ多くの大人に関係する内容です。
  • Tiny Habits、BJ Fogg(2019年)。続けられる小さな習慣の作り方についての本です。バランストレーニングで難しいのは、効果を知ることではなく、毎週続けることです。

参考文献

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